週変わりのシュウ
12月16日〜23日
消えゆく光に向かい 怒れ
12月16日(土)ーーーーーーーーーーーーー
休みの土曜日。
建設的なことはない壱日だったが、近年稀に色々な「音楽を聴いた」壱日となった。
まづラヂヲから流れてきたエライニ・ピーニョ。ポルトガル語で歌唱される、しかし非ブラジル的なポップス。これは素晴らしい。ブラジル音楽はイイのだが、時折あの「普遍性」に飽きる事もある。このエライニさんの歌にはそれがない。ただただ曲の良さと、改めて感ずるポルトガル語の響きのやさしさ。
続いてレオン・トーマス。ジャズでヨーデルをカマす、といふ変人。なんでまたヨーデル?と思ひもするが、このヨーデルがハンパでなくスゴい。もはや楽器。なるほどかういふ使い方もあるか、と・・。さういやぁ昔好きでよく聴いてゐた、スクリーミング・ヘッドレス・トーソズといふバンドのVoがやってたな。あれはこれのオマージュだったのか。
ほかは先週記述のRIST、今更ながらビートルズ、そっからファドに行ってアマリア・ロドリゲス、ちあきなおみ。シメは「暗いはしけ」繋がりでYae。まだまだ聴き込みたい音楽はいっぱいあるねぇ・・。
12月17日(日)ーーーーーーーーーーーーー
しーシュのリハ。
昨日のレオン・トーマスの話題から、器楽的に声を使う楽師の話となる。最近私がよく演る「マウス・ホーン」いわゆる「くちトラムペット」。ラウル・ミドンとか上手い人はいっぱいゐるが、「あの」ミシェル・ポルナレフもやってゐた、といふ話をしーなさんが。むしろ彼がイノベーターのやうな存在だった、といふ。ほ〜、それは知らなんだ。調べてみると、そのやり方でまる壱曲唄ってるのもあるやうですね。しかもまぁ当然ながら、それが無茶苦茶うまい、と云ふ・・・。ん〜〜。
なんにせよ、ただ「歌う」だけでない『声の楽器化』といふ選択肢があったからこそ、私は歌をやれてゐる、と云ふ気はす。世に蔓延る「歌えない歌手」がウケてゐる現状なんぞ置いてけぼりにして久しい、ニッチなニッチ。だが、その世界においては、私なんぞ足元にも及ばぬ達人がウヨウヨゐて・・といふ、これまたジレンマ。
12月18日(月)ーーーーーーーーーーーーー
バイト。
私が午前中に家の外に出るのは、ほぼこのバイトに出勤する時だけ。日々寒さが増してくるのが分かって、まぁ情緒はあって良い。が、寒い。バイト先まで30分チャリを漕いでゆくのだが、そんなものでは身体が温まらぬ。
バイト先ではぼッぼッ燃える炎にいくつも囲まれてゐるので、寒くはないのが良い。前にやってゐたバイトはこの時期にも半分戸外吹きっ晒しで、寒い事この上なし、の現場だった。仕事はここに比ぶれば 100倍は楽だったが・・・(笑)。
12月19日(火)ーーーーーーーーーーーーー
年に2回の歯医者。定期検診である。
前々回のこれで指摘された「虫歯候補」は、その後の入念なブラッシングのおかげで踏みとどまってゐるらしい。今回も特に治療を要する部位はなく、口腔ケアのみで終了。
夜は今年最後の楽器店レッスン。シメにしてはやや早いが、月に3回といふ くくりなので、まぁ・・。この巨大モールの年末、てのを身近に見てみたい気はあったのだが・・・。
12月20日(水)ーーーーーーーーーーーーー
私は読書を趣味としてきた人間だが、ここんところ「ネット書籍」といふやつを読んでゐる。
色々な意味で「本を読む」といふ行為とはかけ離れてゐる、と云へぬでもないのだが、まぁ「活字を読む」といふ点では同じ、だと・・・。
パッドがあればどこでも読める、とか、暗い中で電灯をつけずに読書ができる、と云ふメリットは大きいのだが、なんて〜のか『この先があとなんページあるのか?』とか、『この話に至る前はなんだっけ?』とか云ふ場面にサっと対処しにくい、と云ふ点が、従来の「本が好き」と云ふ人種のハードルになってるやうな気もする。
いわゆる「長編」を読むには向いてない気がするなぁ。よって私はネット書籍では「短編集」ばかり読んでゐる。
12月21日(木)ーーーーーーーーーーーーー
私もまぁ自分を「前時代の人間」と自覚してゐるが、それでもパソコンメールを用いた交渉や、ネットを使った広報などはやってきて、それぞれ現在最先端のものには及ばぬまでも、対処はできる人生を送ってはゐる。
だが、私とさほど年代の変わらぬものが、いまだにメールの「件名」の部分に本文を入れたり、留守電にメッセージを入れてるにも関わらず、それを聞かずに『なに?』とコールバックしてくるのには辟易する。さういふのはもはや今の時代「怠惰」な姿勢としか思えない。
私が自分より下の世代と交流するときに、相手にそのやうな思ひをさせないやうにはしたい、と思ふ。
12月22日(金)ーーーーーーーーーーーーー
寒さが日に日に・・・。
私は初めて北海道を訪れたのが4月の頭だった。本土では桜が咲き始めてゐたが、その時の札幌には蛾ぐらいの大きさの雪が舞ってゐた。陽が落ちると気温は一気に零下となり、現地の友人が時計台やらを案内してくれるのだが、寒さに根をあげて一刻も早く居酒屋へ向かおうとしたものだった。
そんな私が云ふのもナンだが、世界で最も寒い土地=ヤクーツクには、死ぬまでに一度行ってみたい気はしてゐる。
このヤクーツク、ロシアはサハ共和国の首都にあたる場所なのだが、冬の気温は零下60℃に及ぶ事もある。
零下60℃!。
それがどんなものか全く分からんが、まぁ「寒い」とかで済む次元では絶対なからう。
我が日本でいわゆる「冷凍庫」と呼ばれる場所が零下20℃とかそこららしいので、まぁ、そんなかんぢだ。宙に投げ上げたお湯が一瞬で凍りつき霧になる光景はTVなどでも紹介されてゐる。
う〜〜む、行ってみたい。そして、願わくばそこで唄ってみたい、と思ふ。もはやあまり夢など持たぬ58歳の男が、唯一あるとすれば、それが「夢」かな?とは思ってゐる。
12月23日(土)ーーーーーーーーーーーーー
クリスマス・イヴ・イヴ、とか・・?。
我が家では毎年クリスマス・イヴには鶏を食らう。が、明日はライヴにて不在。ので、繰り上げてけふ食鳥す。巨大な鶏もも肉(骨付き)を買ってきて、オヴンなどないので、フライパンで技術を駆使して焼く。私が生まれ育った「梶山家」では、かういふハレの日には必ずこの「ローストチキンレッグ」が食卓に登ってゐた。
今思ひ出しても見事に調理された「鶏脚(とりあし/広島ではこの料理をこう呼ぶ)」だったが、だいぶ後になって、あれは親父が焼いてゐたのだ、といふ事実を知った。我が父が日頃から料理をしてゐた事は何度か書いてゐるが、アレもさうだったのだな、と・・。
それを思ひ出しながら、今年もせっせと「鶏脚」を焼いた。
雨は降っておらず、夜更け過ぎに雪に変わる兆候もないが、けふも戸外は厳しく冷え込んでゐる。
良きクリスマス・イヴにならんことを・・・。