週変わりのシュウ

ボストンバッグにラヂヲと着替え詰め込み

3月10日(日)ーーーーーーーーーー

吉田拓郎の古い曲に「制服」といふのがある。
こは集団就職といふ高度経済成長期のニポンを、少女の視線を交えて描いた名作、と云へぬでもない楽曲だが、その歌の中に『これから君は休日だけが楽しみになるんだね』といふ歌詞がある。

レッスンやライヴより、バイトが生活の中心になりつつある今の私には『うむ』と思へる歌詞だが、同時に「うるせぇよ」とも思ふ。休日を楽しみにして、何が悪い。

むしろ私は、石川啄木のこの詩に、日曜日と云ふものの実像を見ゆ。

給仕づとめの少年が
たまに非番の日曜日、
肺病やみの母親とたつた二人の家にゐて、
ひとりせつせとリイダアの獨學をする眼の疲れ

見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを

石川啄木「飛行機」

3月11日(月)ーーーーーーーーーー

今年はじめに「突き指をした」と思ってゐた右手小指側の痛みは、どーやら突き指といふよりもっと慢性的な関節の痛みのやうで、いまや完全なバネ指になってゐる。朝イチは掌を開くことすら痛く、ゆっくりストレッチをしてようやくフツーに箸が握れる、といふかんぢだ。

こはバイトでご飯をこねくり回す時や、トングで食材を掴み損ねた時に顕著で、原因はまぁこれだらう。・・にしてもバイトを始めて6年目を迎える頃になって、こげな症状が出るとは!。6年、といふ時の流れが身体に及ぼす劣化、といふを目の当たりにする。

むか〜し、自動車の組立工を生業にしてゐた頃、やはりペンチの使い過ぎで右手の親指に障害が出た事がある。ベースを弾くのに痛いなぁ、と思ってはゐたが、なんせまだ若かったのでどうにかなってゐた。
だがまぁ今 よしんばベースを弾くのに障害が出たところで、それが障害になるやうな弾き方をせねば良いだけの話なのかな、とは思ふ。

3月12日(火)ーーーーーーーーーー

明日から長めのツアーが始まるにあたり、旅の荷物を準備す。

公共機関を使う旅の場合は中型のスーツケースを使うのだが、車での旅の時は携帯性を考慮して、大きめのバッグに全て詰め込む。これが一人旅を始めた頃に湯似苦露で買ったバッグで、まぁ悪くないのだが、収納どころが多過ぎて、結局どこに何を入れたのか解らなくなる、といふデメリットが勝ってゐる。

その割に『いま要るもの』がスグに出てこないストレスも多く、ぬ〜、といふかんぢでゐる。そこで「やはり旅にはボストンバッグだらう」と思ひ付き、海女存で検索をかけてみた。いまはかういふのは「ジムバッグ」と呼ぶさうで、色々ある。まぁモノを見て買うわけではないので、良かったらめっけもん、みたいなかんぢで安いやつをポチった。

が、届くのは旅から帰ってから、といふことのやうだ。
ぬ〜〜。