週変わりのシュウ

あれは遠い日の少年

9月16日(月/祝)ーーーーーーーーー

萩市は藍場川の家でのライヴを終え、帰広の日。

付随するオーナーの自宅に泊めていただいた。祝日にて急ぎ帰る必要はないのだが、藍場川の家(喫茶店として)は通常営業なので、早めに挨拶だけして帰途に着く。朝飯兼昼飯をどこかで・・と思ふも、ちょーどお昼時にて、めぼしい店はすでに満員。「あ〜」と思ってゐると、数年前しーシュでもライヴをさせていただいた老舗レストラン『エスカイヤ城門』が営業してゐたので、久々の挨拶も兼ねて・・・。

古き良き洋食リストランテの面影を強く残す店内。お客はみな落ち着いた年齢層のペアかトリオ。静かな店内にただよふ香ばしいデミグラスの香り・・・。そして期待を上回る絶品のランチメニュー。
嗚呼、素晴らしき昭和!!。コロナを力強く乗り越えた老舗がここにも!!。

オーナー、マスター共に我らを覚えてくださっており、「世の中が落ち着いて来たので、また演ってください」とありがたいお言葉。しーシュがいちばん頻繁に旅してゐた頃は、年4回ぐらいは萩〜長門に来てゐたものだ。あの頃のやうに、はいかんだらうが、また軽やかに旅したいものだね。

9月17日(火)ーーーーーーーーー

我らがアニキ、世界を旅するプログレッシヴ・ロック・トリオ「BARAKA」のドラマーにして友人、平石正樹さんが仕事のツイデに広島まで来てくれており、旧縁を含めた親交の場を、僭越ながら私が設けさせていただいた。

ホテルのランチ・ビュフェに集いしメンバーは、しーシュ、正樹さん、柴作伊佐雄(ギタリスト)、空城のしゔぁ(特殊系SSW)。まぁ真昼間にホテルのリストランテに集うにはちょいと危険なメンツだが(笑)、上京のたびに頻繁に会ってゐたしーシュはまだしも、シバちゃん、しゔぁ、と正樹さんはホンマに久しぶりで、楽しさうに歓談が進むのは、主催者として冥利に尽きる光景であった。ランチタイムが終わっても茶店に移動し、話は尽きない。

正樹さんは夕方の新幹線で帰途に着いたが、残りのメンバーとて、この面子で集うのは数年ぶりのこと。夕方で終わるハズもなく、その後も居酒屋に河岸を変え、なんと20時過ぎまで。ま〜ぁ飲みも飲んだり9時間!!。明日はバイトなんだが大丈夫か?私・・・。

9月18日(水)ーーーーーーーーー

そのバイト。
あんだけ長時間飲んだ割には、ほとんど酒気は残っておらず、朝飯もしっかり食えた。

バイトでは「秋メニュー」が始まり、けふもまた人格を破壊する忙しさ。だが、ここん所 希望するシフトがあまり反映されず、就業時間が大幅に減ってゐる。まぁバイトなんだからこんなもんか、とも思ふが、あんまり間が開くと仕事を忘れてしまいいさうで怖い。

けふはその後、近年稀にも見る稀な事に、高校生のお試しヴォイトレ・レッスンがふたコマも。昨今の高校生はメールもせんのか・・。連絡はどーしてンの?と訊けば「lineで」とのこと。へ。

9月19日(木)ーーーーーーーーー

ぢつはここん所、自分のベース演奏の腕が落ちてゐるのを実感してゐて、まぁ指の柔軟性や、力そのものが落ちて来てゐる、てのも理由なんだが、こんなんではイカン、と新たに「基礎練習」を再開する。プロ志向の生徒が減って来て以降 封印してゐたエクササイズを自分でなぞる、といふ真面目か?。

ピック弾きだの、楽器を替える、だの変な欲を出すからこんな事になるのだ、との思ひもあって、潔く愛用の楽器壱本と唯一無二の奏法一筋!で行けや、と自分で思ひもするが、そこらへんまだ私は自分への俯瞰が甘いのだ。

9月20日(金)ーーーーーーーーー

けふもマジメに基礎練習。途中、新曲のアイディアが掴めたので、倉庫楽団にラフ録り。

筋トレも終え、久々にネトフリでも流し見するか、と「地面師たち」といふのを見始めたらこれが超絶に面白くて止まらなくなってしまった。ハ!と気づけば女房が帰ってくる時間になってゐて「おぉぉ!」と慌てる。スゴい面白いドラマだな。私は本来連ドラは苦手なんだが、ネトフリはこのやうにして連続で見れるのがよろしくない。

夜はぱんぱかトリオのリハ。このバンド専用ベース「ぱんベェ=グレコのヴァイオリンベース」に新しいブラックナイロン弦を張ったのを初めて使う本番が、この週末に。このベースに黒弦が貼られてゐる姿こそ、我が少年期にココロを捉えてやまなかった、あの「ニコー通販」のカタログそのもの!。当時は『イタリア製ブラック弦』とか書かれてたな。

70年代までは、フツーに店頭に飾られるベースも、半分くらいは黒弦だったやうな気がする。弦によって音が違う、なんて想像もできなんだ時代のハナシだ。

9月21日(土)ーーーーーーーーー

フツーに休日。土曜日が休みになるのは珍しい。

若い頃はかういふ日はレコード屋巡りや本屋巡りをしてゐた。てゆーか、それが私の唯一のレジャーであった。いい映画が掛かってゐれば映画館に行って・・・。んでツイデに「ガールヲッチング」なんぞをして、夕方に帰る、と。さういふ孤独な土曜日を、割と愛してもゐたんだなぁ。
村上春樹の小説の登場人物のやうに・・・。

いまや完全にルーティンの老人。朝飯作り、練習して、筋トレして、買い物行って、映画(ネットで)見て、晩飯作って、酒飲んで・・・といふ壱日。これもまたこよなく愛する私の壱日。休日はこれで充分。