週変わりのシュウ

夜についてのメモ(長いよ)

10月22日(火)ーーーーーーー

今、火曜日の生徒さんに、古希を超えた紳士がおられ、まぁ若い頃は楽団などに属しバリバリにギターを弾いておられた、といふことだが、今は素人楽団を率いるためにベースを弾くことになって・・・、といふかんぢ。

まぁ私もよく知ってゐる古いヒット曲を題材に持ってきて、即席で弾けるベースラインを私が教えて・・と云ふレッスンなのだが、その素人楽団の活動内容を聞くに、楽しさうで良いなと思ふ。おそらく区民会館か、そんなところで練習しておられるのだらう。

昔はかういふ生徒にも、容赦ないスパルタ・レッスンを押し付けてゐたものだが、自身も老年に差し掛かった現在、そのやうな勘違いした情熱はなく、ただただこの人たちが、できるだけ長く楽しく音楽と接してゐられることを願ってやまない。んでまぁ、亡くなる時に『面白いレッスンだったな』と思ってもらえたら、それで良い。

10月23日(水)ーーーーーーー

バイト。
書くのも飽きたが忙しい。イヤんなるくらい忙しい。

この頃は、始業の前に左腕をテーピングで固めて臨んでゐる。色々文献を漁り、テニス肘に有効なテーピングも学ぶ。人体オモロいもので、たかだか粘着性の布で故障箇所がカヴァーできるのだから不思議だ。ただまぁだいぶ大袈裟なテーピングなので、まるで「進撃の巨人」に出てきた「鎧の巨人」みたいなかんぢなのはいただけない。

10月24日(木)ーーーーーーー

絵本・夜の木

来月東京のツアーに、門前仲町のチャービーが入ってゐる。
ここは毎回『なにかテーマを・・』と云ふお題をいただく。そのたびにアイディアを絞ってタイトルとテーマを考えてゐるのだが、今回はそのお題に対して、前回チャービーの店頭で見かけた「夜の木」といふタイトルの絵本を思ひ出し、「夜の木をねぐらにして」といふテーマを考へた。

したら、チャービーのオーナーミミさんから いたく気に入ってもらえ、『このタイトルで曲でもあらば・・』と云ってもらえたので、それをきっかけにフとアイディアがひらめき、ホンマに曲になってしまった。

作曲とはオモロいもので、何がきっかけになるか分からん。今回はある曲を作り上げてゐる最中だったのだが、こっちの方がイメージが強く、アッと云ふ間に追い抜いて完成してしまった。いわゆるインスピレーション勝ち、といふやつだな。

ちなみにこの「夜の木」といふ絵本は、一冊一冊がすべて手製業で作られてゐる、と云ふ画期的なものらしい。だから一刷ごとに表紙や装丁が変わってゐて、現在は12刷め、なんださう。そんな手間のかかるものが¥4000弱で販売されてゐる。これはやはり本好きとしては買った方がいいんだらうな。

10月25日(金)ーーーーーーー

バイト。
7年前、私を1から鍛え上げてくれた、前前々店長(エリア・マネージャー)が久々に来訪され、再会を寿ぐ。彼にしてみれば、バイトとは云へ全くの異業種から50代半ばにもなって入ってきた初老男が、7年も続くなんて思ってもみなかったんではないか?。

イタズラ好きの人で、よくおかしなことを言って人を当惑させてゐたが、けふも気づけばキッチンタイマーが全部オンになってゐて、ピッピピッピと鳴りまくる。相変わらずのやうだ。仕事に関しては厳しく、また現場の誰より仕事が早い、と云ふ鬼将軍でもあったが、私は好きな御仁であった。元気さうでなにより。

10月26日(土)ーーーーーーー

休み。
手を休ませたいのだが、来月頭にソロの遠征が一つあり、それはなかなか気が抜けないので、それのための練習はしておかねば・・といふかんぢで、30分おきに休みながらの練習をバ。痛い・・。ブロック注射の効能は、もぅ消えてしまったやうだ。

ちょいと風邪気味だったので、女房の実家から頂いた大量のレモンを使って「レモン鍋」を作る。ビタミンと肉食と睡眠。今は暑くも寒くもないので、よく眠れる。

10月27日(日)ーーーーーーー

レモン鍋が効いたのか、昨日まで感じてゐた「風邪感」は霧散してゐる。ホ〜。

さういや20代の始め頃、やはりこの季節に風邪をひいて『よし、今回は風邪薬を飲まずに医者にも行かずに治してみやう』と思ひたち、ビーフステュウと林檎だけで治し切った事がある。まぁもともと体力があったから出来たのは違いないが、食も薬には違いない。

夜は、闘病の末に亡くなられた先輩キーボード奏者にして、広島ローカルの代表的な作曲家&アレンジャー、高橋一之さんを偲ぶ会に出席。彼を恩師と慕う数名の楽師により企画された会。色々な会式で朝からやってゐたさうだが、私の夜の部=飲み会に参加。

懐かしい顔ぶれに色々会えて楽しかった。故人を偲んで楽しめる、と云ふのは故人の人徳ゆえであらう。
「アンタのベースはうるさいんよ」と云ひながらも、私との共演をけっこう望んでくれてゐたやうに思ふ。午前中の会式では、高橋さん生前のライヴヴィデオが流され、私との共演風景がけっこう写ってゐたさうな。

高橋さん、お疲れ様でした。

10月28日(月)ーーーーーーー

なつかしき顔ぶれと共に、場所を変えて結構飲んだ。特に最後の店で煽ったジャック・ダニエルが効いたか、久しぶりのわりと二日酔い。ゲロゲロではないが、なかなかしんどい。まぁ自業自得ですが・・。

昨日は久しぶりにパイグら専門学校時代の卒業生と一緒だった。そのパイグ、上機嫌に酔っ払いながら『俺はシュウさんが思ってゐる以上にシュウさんを尊敬してるんです』のやうなことを言ってたな(笑)。ありがとうよ。あと「ブログいつも読んでますよ」とか云ふヤツも・・・。頑張って書かなきゃ、ね。

面白いことに、また曲ができた。こないだの「夜の木をねぐらに」はだいぶ凝った作り・・・、いわばしーシュらしいギミックに満ちた曲となったし、作りかけてゐるのもそのテのやつなんだが、今回ポっと浮かんだのは、えらいことポップなバラードで、もぅ始めからしーなさんが歌うテイで出来て行った。

まぁ今までもさういふのはあったのだが、いざ出来てみるとしーなさんがあまり乗り気にならなんだり、ぢつは私が歌う方が合ってゐた、みたいなことは少なくない。今度のはうまくハマってほしいな。

10月29日(火)ーーーーーーー

BITOI

最近、BITOIといふユニット、と云ふか、バンドと云ふか・・、まぁさういふ人たちを見つけた。

これが、電気ベースに女性ヴォーカルが3人のみの編成、といふ羨ましい・・いや興味深いユニットで。演ってる音楽もかなり一筋縄ではいかぬ、しかしポップで奇妙なもの。
かういふ「静かな狂気」を感じさせる音楽が、最近とみに好きだな〜。

2023年の their festival Intonalといふフェスのために結成されたユニットのやうで、「電気ベースと声」といふ、わりと私も考える「ある種の矛盾」を融合せんとしたコンセプトださうな。

ベースは微分音フレット付きのもの使って、えへくた〜やカポを駆使したギターライクな奏法だが、いわゆる「テク見せ」要素はなく、地味に上手い(髪型はスゴいが)。曲はこの人が書いてる。

3人の女性Voもそれぞれに個性が立ってゐて、私的には真ん中の人が好み(音楽的に)。長いベースの前奏曲の間、その様子を見ながらボーっと待ってる女性陣がカワイイ。いいなぁ〜、かういふユニットも組んでみたい。

調べてゐたらツイこないだ日本にも来てたみたい!。やられた!!。

10月30日(水)ーーーーーーー

元グレイトフル・デッドのベーシスト、フィル・レッシュ氏が亡くなった、と云ふ知らせ。死因は明らかにされてないが、複数の病魔を抱えながらも、最後は安らかに息を引き取った、といふ。

デッドヘッズ、と呼ばれる熱烈なファンを世界中に配する著名バンド、グレイトフル・デッド。しかし私はその良さが全く理解できない者の一人だ。同じく そのベーシストであるフィル・レッシュの評価も分からない。
だいぶ早い時期から6弦ベースを使ってゐたが、その意味が果たして?といふ気はづっとしてゐた。

好きな人に言わせると、彼らはライヴにおける即興性がイイのだと・・。しかし私が聴く限りではデッドの即興性は、いわゆる「ジャム・セッション」の域を出ないものにしか思えないし・・。が、あそこまで世界中にファンがゐる、といふ事はその良さがわからん私の方がダメなのだ、と思ふことにして、偉大なるベーシストの死を悼む。

10月31日(木)ーーーーーーー

ゆんべわりと強めの目眩の発作が出て、早めに寝たのだが、朝もなんとなくボヤっと頭に靄がかかってゐるかんぢ。けふ明日とバイト連勤なのにイヤだな〜と思ひながら出勤すると、まーぁなんとも・・・目眩なんぞ屁でもない、人格も人権も人間性もズタズタに引き裂くほどの忙しさだった。

歩くんもしんどいくらい疲れ果て、けふは夜レッスンだが一旦帰宅する気にもならず、そのままスタヂヲに入る。かといって練習する気にもならんほどくたびれてゐて、ただボーっとソファに座って2時間。まぁ生徒と話したりレッスンを進めてるうちに別の元気が出ては来るんだが、こんなにくたびれ果てるためにバイトをしてるんぢゃないハズなんだがなー。

レッスンとライヴだけで日々が回ってゐた時代が懐かしい。