週変わりのシュウ

この島にはない夢を

12月9日(月)ーーーーーー

夜中の咳が止まらず、やむなくまた呼吸器科を再訪。開業前に行ったのだが、すでに病院の前に行列ができてゐて驚く。医師曰く「今年は秋がなく、夏→いきなり冬だったので」呼吸器をヤラれてゐる人が多いさうな。前回受診時より改善してないので、胸部レントゲンと血液検査の末、点滴まで受ける始末。やれやれ・・。

もぅ壱週間以上酒も絶ってゐるが、あまり改善の兆候もなく、どんどん悪化してしまった。
私の場合、致命的な喘息にまでは至ってないのでまだ良いが、これから先 抵抗力も落ちてきてこの発作が頻繁に出るやうになると、人生的にマズいなぁ。

12月10日(火)with 谷本 仰:インプロヴァイズ@アビエルトーーーーー

音楽的即興、とくればこのデュオ。
北九州のマエストロ 谷本 仰さんとのフリー・インプロヴィゼイション。

仰さん、広島滞在3デイズの締めに私を指名いただき、上八木はアビエルトにて開催。何度でも書くが、奏者が思い思いに音を出し、作り上げられる世界観が「混沌」でしかないのならば、そは音楽家がそれをやる意味はない。少なくとも私は、それを即興と知らずに経験した人に「音楽的な感動」を伴わせて初めて、我らが即興をやる意味があると常々思ってゐる。

仰さんとのデュオは、まさしくそれが可能なのだ。
本当にお互いになにも決めず、お互いの音と流れを聴き取り、ただそこに導かれてゆく行為のみで、そこに「音楽」が生まれて行くのだ。けふはそこに旧知の舞踏 大槻オサムくんも入り、これもまた風を吹き込む。いつもながら素晴らしい時間となった。

残念なのは、この即興を、他の即興家が体験しない、と云ふ事実。インプロヴァイザーにありがちな「他人に興味がない」といふ概念が、ここに現れてしまうのは勿体無い。自分らを特別とは思わんが、特別なことが起きてゐるのは確かなのだ。これを体験してほしいのだがね・・。

けふも相当良い即興で大満足。仰さん「ぜひこのデュオでもツアーを」を言ってくれる。私も賛成。気持ちが熱いうちに、ぜひそれが実現できたらいい、と思ふ。

12月11日(水)ーーーーーー

バイト。
けふ初めて一緒にタッグを組むおぢさんが、ぢつは同い年だった、といふね。以前は別の店で店長までやってゐた、といふ人で、確かに切り盛りは早く、逆にこっちのペェスが掴みづらかった(笑)。多い時でも週に3回程度勤務の私に「もっと(シフト)入れてよ〜」と云ふが、ん〜私ぁ本業があるしねェ・・・。

その本業。
けふは久しぶりに一旦帰宅をせず、そのままスタヂヲ入り。かういふ場合、バイトが終わってレッスンが始まるまでのだいたい3〜4時間を、飯食ったり練習したり本読んだりして過ごす。冬の間はスタヂヲが寒いので、あんまりやりたくはないんだが、けふは一人目の生徒が早めの時間からだったので・・・。この近辺に、例えば銭湯とかあったりしたらもぅ最高なんだがなぁ・・・などと思ふ。

練習、と云へばテニス肘罹患後、あんまり魂詰めての練習をしないやうにしてゐる。そのせいで酷い痛みは収まってきてはゐるが、おそらくだいぶ下手になってゐるんではないか?。そこはよろしくないなぁ・・。

12月12日(木)ーーーーーー

新しい薬が効いたか、咳がだいぶ落ち着いてきた。
・・が、喉の奥がイマイチ塞がってるかんぢは続いており、しっかり力を入れて声を出さんと、すぐ声がひっくり返る。第二次性徴期の男子中学生のやうだ。

元弟子のパイグこと木本沢也(6弦ベース)が、タップダンサーとなにか演る、といふので見に行こうかな、と思ってゐたのだが、開始時間も終演時間も曖昧で、こっちもなかなか時間が掴めなんだので、やむなく断念。オモロさうな事やってるな、とは思ふが、なかなか見に行ってやれんのは悔しい。

12月13日(金)ーーーーーー

EVRAAK

最近、東京あたりでは「日本のプログレ」が熱い、と聞く。
私が知る限り、曇ヶ原、とEVRAAK、といふ二大バンドが、このシーンを牽引してゐるらしい。

EVRRAKの方は正統派テクニカル・プログレッシヴ・ロックの王道をゆくスタイルで、なるほど新旧のこのテの音楽ファンにはたまらぬ音だな、との感想。メンバー個々の技術も相当なものだし、楽曲もよく練られてゐる。

曇ヶ原

もぅひとつの曇ヶ原は自らの音楽を「ハードフォーク」と称するやうに、やや内省的な耽美派のプログレ。クリムゾンのダーク系の歌ものが現代風に進化した、と云ふかんぢ。これまた超絶技巧のメンバーと複雑なアレンジで「プログレ」とされてゐるが、私的には古いスタイルのロック(例えば「四人囃子」とか)を思はせ、個人的にはこっちが好み。フロントメンバーの音楽的嗜好の頂点が「たま」といふのもシンパシィを感ずる。

楽曲としてのプログレ度、で云へば我らしーシュもなかなかだとは思ってゐるが、ウチがどう頑張っても一般的なプログレ認定を受けにくいのは、やはり「ドラムスの不在」だらうな、とは思ふ。そはまぁ仕方ないやね。しかし、もぅ長らく日本のロック界にいらっしゃる某大御所の鍵盤奏者は、ウチをひと聴きしただけで『めちゃプログレやん』と言ってくださった。わかる人にはわかる。

12月14日(土)Bakamon’s @北九州デルソルーーーーー

さて(私一人が)遠距離ユニット、Bakamon’sのライヴへ参加するため、一人車転がして北九州は八幡へ!。

朋友 テーさんこと村岡達也が組んだ新ユニットで、ギターが3人にパーカスとベース。まぁ流動的なメンバーが、テーさんの楽曲を彩る柔軟なユニット。私の居らぬ状態ではすでに何度かライヴをこなしてゐるやうで、今回初めてちゃんとベースが入る、んださうな。私も楽しみ。

朝のうちに広島を出て、下道をのんびりと北九州まで。この行程、ぢつは最初の2時間ぐらいはづーっと広島なのだ。特に土曜日のこの時間帯、隣の山口県に入るまでにだいたい2時間は渋滞に巻き込まれてゐる。アホらしさの極み!。ので、この区間だけでも高速道路を使う方が賢い。

夕方には会場の八幡はデルソルに着。初対面のメンバーもゐるので、挨拶がてらセッティング&リハ。ラテン系のリズムの曲はやはりベースが入る方がグっと来るやうで、ありがたがってもらえる。メンバー全員上手い。これだけの世帯がわりと自由に弾きまくって、音がダンゴにならない。良いメンバー集めたねぇテーさん。

本番も、最近ファンになってくれたといふアマチュアのギター団体の方々が挙って来てくれており、老若男女で会場が華やぎ、楽しい雰囲気だった。僭越ながらソロコーナーも頂き、3ツくらい演らせてもらった。まだ声の出が悪くてイマイチだったかな?。ん〜残念。

しかし、総じて良きライヴ。良き時間だった。終演後もほとんどのお客さんが残り、あれやこれやお話。フレットレスについての質問などもあり、さういや久々に本番でアトランシアを使ったな、と・・。上述の通り、あんまり練習ができてないので、だいぶヘタではあった。痛みながらもマメに練習はしとかんといかんね・・。

12月15日(日)ーーーーーー

ゆんべ、我らが良き演奏と良き時間を満喫してゐる頃、同じ北九州で陰惨な殺人事件があったやうだ。
犯人はまだ捕まってない、とされ、車中泊を予定してゐた私にみなが「大丈夫か?」と問う場面があった。まぁ若干心配はあったが、北九州はかう云ってはナンだがそもそも物騒な土地柄。そこで何度も車中泊は経験してゐるので・・といふ事で、いつもの場所に居留。何度かパトカーが巡回して来ており、職質かあらば丁寧に対応するつもりでゐたが、それはなし。

明け方の雨音とラヂヲ体操の音に目が覚めたら夜明け前。東の空が赤く染まり始めた頃で、おぉこれは良いな、とカーテンを取っ払って明けて行く空を見ながらゴロ寝。さういやこの場所でこの季節に泊まるのは初めてか、と思ひ(初夏が多い)、たしかに冷え込みはしたが想定内。毛布と寝袋でやり過ごせる程度。

7時半ごろ、完全に夜が明けた頃に出発。帰宅を開始する。
朝飯休憩や昼寝休憩も挟みつつ、やはりのんびり下道を使って、5時間ぐらいかな?。出発時の「広島を抜け出すまでの2時間」がナイだけに、帰りは早い。