週変わりのシュウ

さう、私たちは友達だった

1月1日(水)ーーーーーーー

元旦っ。
ゆんべがゆんべ(配信ライヴ&打ち上げ)だったので、ゆっくり目の起床。

よく晴れた正月である。特に用事はないので、近所をブラブラ。去年一昨年と比べても人が多い。さすがに開いてる店がほとんどないので、みな初詣なんぞしてゐるのだらう。私も近所の適当な社に手を合わせ、初詣とす。

昔はこの、正月のガラんとした街をバイクで流すのが好きだったな・・。

1月2日(木)ーーーーーーー

恒例行事。ディープ瀬戸内の女房方の田舎に帰省。
ここでしか見ないTVで箱根駅伝を見るのも恒例。高低差800mを超える山越えを、学生に走らせる狂気の祭典。選手たちには賞賛を惜しまぬが、それ以外は全て「山吹色」のにほひプンプンで笑えるほど。

途中挟まれるCMに、凄まじい民族系ヴォイスが使われてゐるのがあって、女房ともどもハタと手を止める。のちに女房が調べてくれたところからすると、Hatis Noit (ハチスノイト)といふヴォイスパフォーマーらしく、英国を中心に活動してゐる人のやうだ。ライヴではループを使って、全部自分の声のみで構築するパフォームを繰り広げてゐる。カッコいいな。

女房は壱日実家に留まることにし、私は一人で帰宅。正月早々独り身の夜を過ごす。

1月3日(金)ーーーーーーー

去年末、ホンマに久しぶりに『CDプレーヤ』を買った。
もぅ長い間、CDを聴くのはパソコンでだったのだが、どうやらパソコンのその機能がバグったらしく、しばらく車ン中でしかCDを再生できぬ状況が続いてゐた。んで、まぁ楽師がCDを再生できぬはどうよ?と思ひ、やはり買うことにしたのだ。

賃貸アパートにつき、爆音で再生できる訳でもないんだが、聴きたい音源がピャっと再生できるんはいい。久しぶりにMAGMAやらディープ・パープルやらかけては聴き流す。

このやうにして正月休みが終わってゆく。

1月4日(土)ーーーーーーー

しーシュ初リハ。その後、ツンちゃんこと水木恒夫率いるパーカッション集団 PICOの新年会に赴く。

パーカッション集団、と云へどそこに集うは、タイコ叩きのみならず、ギター弾きやベース弾きや、プロアマ問わぬ楽師、趣味人、愛好家たち。それぞれ持ち込んだ酒やツマミをあてに、いろいろ話が弾む。

このコミューンに関わってすでに30年以上。
最初の頃 高校生だった子がコドモを連れてきたり、赤ん坊だった子が結婚してたり、とまぁ経年は如実なり。

世代交代を繰り返しながら、いまもこれだけの人を集わせるツンちゃんの人柄。ここに顔を出すと「おぉ、しーシュだ」と認知してもらえる事を謙虚に受け止め、大事にしたいコミュニティである。

私は主に、若手ベース女子のミハル(写真の金髪女子)を相手にぐだぐだ飲み語り、明日はライヴなのでけふはやや控えめに、とか言ってた割には一番飲んでた気はするな。

1月5日(日)薬研堀夜市:新春椎修レコ発親睦新年会ーーーーーー

しーシュ今年一本め。
いつもの「夜市」のテイで演りはするが、けふは趣を変え、手製のちゃんこ鍋を振る舞いながら、しかもお客さんにも飛び入りをしてもらって、といふ まさに「新年会」ライヴとす。ゆえに今回は配信はナシ。

          鍋の配膳サーヴィスを担当してくれた姫石ミミの飛び入りシーン。

私も直前まで鍋を仕込み、本番もエプロンをつけたまま、といふ懐かしの「居酒屋椎修」を踏襲するスタイルでのライヴとなった。しーシュは新曲を中心に30分ぐらいをダっと演奏。その後 7組の飛び入り参加者をバックサポート。我らも楽しかったし、参加してくれた人が楽しんでくれたならなを良い。

私が喉をつぶしたりテニス肘になった上に、リハも圧倒的に足りてない最近のしーシュだが、年末の福岡遠征〜配信ライヴから けふのライヴにかけても、謎の「余裕」があり、むしろ今までより良いパフォームが演れてゐるやうに思ふ。良いライヴだった。

ちゃんこ鍋も、終演後には汁一滴残ってない状態の大好評。それは嬉しいが、最後に自分らで食べようと思って食事を抜いてゐたしーシュは、終演時には完全な低血糖状態(苦笑)。打ち上げでカルピスを一気飲みして、よーやっと持ち直すかんぢ。今年一発目、良いライヴができて嬉しい。

1月6日(月)ーーーーーーー

日中は、昨日のライヴに名古屋から来てくれてゐた寺尾夫妻=夫婦デュオTAKTのお二人と、来月名古屋で行うレコーディングのリハ。レコーディングといふものにまつわるあれこれが、全く初めてといふ二人に色々アドバイスしつつ、アレンジや構成を固めてゆくリハ。

私はその後、今年の「仕事始め」。

レッスン室(スタヂヲ)が寒すぎてかなわん。年々この寒さが酷くなってる気がするのは気のせいか?歳のせいか?。暖房機器が経年で効果を出さんやうになってゐるのが決定的か。講師各人が持ち込んだ暖房グッズでやり過ごしてゐる。

ただこの建物、構造が古いので電源が圧倒的に少ないのだ。その上その少ない電源は、当然ながらほとんど音響機器に取られてゐるので、すでにだいぶヤバいタコ足状態。かくなる上は灯油ストーヴを持ち込むのが一番、と思ふのだが、エレベータのない5Fまで灯油を抱えて昇るのは、還暦男にはだいぶキツい仕事にも思ふ。

しかしこの寒さは生徒さんにも申し訳ない。真剣な話、もっといい物件はないかー?。

1月7日(火)ーーーーーーー

楽器店レッスンも「仕事始め」。
なにやら雪模様の天候だが、巨大モール内のこの教室は当然ながら空調環境も良い。これでないとねぇ・・。

運営側にお願いして、私の預かってゐる部屋に鍵盤が入れられぬか?を問い合わせたところ、あっさりと『いいですよ』といふ事で電子キィボードをひとつ使えるやうになった。これで「篭れる」なぁ・・。こんどやろうかな?。昼前ぐらいに教室入りして、モールで昼飯食ったりしながら生徒が来るまで、づっとなにか演ってる・・みたいな。

昔は(ここでない教室で)よくやった。
それで曲ができたりしたもんだった。ん〜〜〜、やろう。

1月8日(水)ーーーーーーー

今年の「バイト初め」。去年末に色々あって色々とアレな職場だが、まぁアレだ。シノゴの云はずに働くのみだ。

同僚の数名が風邪でダウンしており、シフトがてんてこ舞い、らしい。そもそも店長が倒れてゐるさうな。そらアカンわ。早速「卵焼き地獄」なんぞあったり(けふの勤務時間内に何個作っただらうか?)、相変わらずカオスな現場だったが、まぁやり切った。仲の良いホールスタッフの女の子が『梶山さんの持ち場って やること多すぎないですか?』と言ってくれる。多いですねぇ・・。

んで、夜もレッスン。ここでも生徒が風邪でダウン。ん〜〜インフル猛威、とされてゐるがホンマにスゴいやうだな。コロナの波が去ったと思ひきや・・・。おまけになんやらまた「あそこ」から おかしげなウィルスが現れた、といふ話も・・・。勘弁せいよ。

1月9日(木)ーーーーーーー

効果のほどは分からんのだが、ここまで周囲に多いのでは・・といふ事で、近所の町医者にインフルエンザの予防接種に行く。コドモの頃、学校で受けてゐたこれはもっと痛かった記憶や、風呂禁止とか運動禁止とか云はれたものだったが、最近は痛みもまぁ「チク」ぐらいだし、別にフツーに生活してよし、といふ。

抗体ができるのは壱週間後ぐらいらしいので、その間に罹患したら金をドブに捨てることになるので、さらなる注意もせねば。手洗いウガイが習慣化したのは、コロナの残した唯一の利点だな。

1月10日(金)ーーーーーーー

バイトの後、昨年末の「カメレオン・コンサート」の反省会、といふか、まぁみんなでヴィデヲを見ませう、といふ会があった。ヴィヲロンの竹内ふみのとゲスト歌の亀田敬子 以外は全員参加。姫石ミミの用意してくれたおぃしぃ弁当を突きながらみんなで見る。

限られた時間の中で、よぅ演れた、といふかんぢのコンサート。前回参加した時も思ったが、それぞれの突出した個人芸と、それをサポートできるそれぞれのスキルが、見事に溶け合ってゐるショウだ。なぜかツインベース、といふのも奇妙にハマっており、「次回もこれで行くか」といふ話にも・・・。

自分のパフォームに関して思ふのは、私が歌い始めた途端『生真面目な』雰囲気になるのだな、といふこと。この反省会においても、それまでお喋りをしてゐたメンバーが私の歌の時にはぢっと聞き入る、といふ場面があった。んで、そは個人でライヴを演ったあとよく云はれることで、しーなさん曰く『楽曲の世界観に引き込む歌ぢから』といふことらしい。

だから言ってみれば、見た人の印象に残るのは梶山シュウ、といふ個性ではなく「歌の印象」であり、ようするにライヴ自体は『盛り上がらない』のだ。あぁ〜、なるほど!と思った。

1月11日(土)ーーーーーーー

山口県は長門市 向津具パタ屋仲間=テキーラ同好会の仲間内の最年長、Hさんのお見舞いライヴをしーシュで行った。緩和ケア病棟から正式な許可が出たさうで、病室内でいちをう正式に「プライヴェート・ライヴ」として・・。

Hさん本人からリクエストをもらった数曲を準備し、しーなさんはスピーカー付き鍵盤、私は「ちび太」で演奏。マスクで誤魔化してゐたが、何度か涙が込み上げて声が出なくなった。だが、ここで演者が泣いてはなんの為の楽師!との心意気で、なんとか演り切った。

私はぢつは、音楽にさほど理力(フォース)があるとは思ってない。フォースが働くのは自身の中に、であり、他者を本当に癒すことができる、と考えるなんぞ不遜だ、とすら思ってゐる。だが、けふほど本当にそのフォースがあったらいい、と思ったことはない。この歌に力を!と何度も思いながら歌った。

Hさんの快癒を願ってやまない。