週変わりのシュウ
8月21日〜26日
夜への長い旅路で(ツアー記)

8月21日(木)津山 Talu mache arrow ーーーー
しーシュ晩夏の旅初日。2022年以来 3年ぶりの津山だ。
しーシュが津山、と云へば、この街の名シンガー石田あかりちゃんは外せない。そもそもは元弟子のベース弾き朝井ゆうじ絡みで知り合ったが、それももぅずいぶん前・・・。あかりちゃん通じて津山にも多く知り合いもでき、イベントに呼んでもらったりもするやうになったり、フと私のヴォイトレを受けに来てくれたりする仲に・・。
今回のあかりちゃんは、ピヤノの原田 愛ちゃんとのデュオ「たんぽぽ」で対バンを務めてくれた。
ピヤノと歌のみ、といふシムプルな編成が、あかりちゃんの歌のポテンシャルを最大限に引き上げる。んで、愛ちゃんのピヤノがまた素晴らしい!。聞けばしーなさんの後輩(音大の)にあたるらしく、クラシックの基盤にポップスやジャズの要素を完璧に取り入れた見事な歌伴!。さすがしーなさんの後輩!といふかんぢのピヤノだった。
良き対バンに感化され、ウチもいいかんぢの本番。ぢつはコンビニの店長でもあるあかりちゃん、けふは従業員をぞろっと連れて来てくれており(笑)、この人たちがまたよぅウケてくれて、ありがたい。良きライヴとなった。
しーなさんも愛ちゃんのピヤノを絶賛。愛ちゃん感激して涙ぐんでゐる。またぜひ一緒に、と約束す。あかりちゃんは約一週間後、先述の朝井ゆうじ還暦ライヴ(弟子だが同い年)でも活躍の予定で、『もと弟子をよろしく』とお願いしておいた。
8月22日(金)大阪 なんば パーカホリック ーーーー
大阪へ移動。
今回のツアーは車旅、といふだけでなく、最終日の松阪まで連日「乗り打ち(移動→その日ライヴ)」といふ、わりとハードな旅。暑さやら紫外線やら水分補給やら、色々気をつけながらの旅となる。
ウチの場合、高速道路以外の下道や街なかの細々した路地など、それと夜間は、(視力の問題で)私が主に運転する事になる。あとになって思ふにこの日が一番シンドかったかな・・?。日差しも強かったが、着いた先が大阪の心臓部「心斎橋」だった、といふところも・・・。
昼頃に津山を出て、休憩したり時間潰したりしながら夕方前に大阪は心斎橋はパーカホリックに着。ライヴ会場のパーホリは、これまた心斎橋のなかの心斎橋・・・、享楽街のど真ん中にあり、正直喧騒極まりない。とてもその近くに車を停めておく勇気はなく、いつも2ブロック以上離れたところに車を停めて、あえて歩いて会場入りするのだが・・・・(後述)。
店長の石脇タケシくんは、昼間は別の仕事に従事してゐて、『早く着いたら先に鍵を開けて入っててください』と、早くから冷房まで点けてくれてゐる。この細やかな気配り!。お言葉に甘え、タケシくんが来るまでには、セッティングもサウンドチェックもリハも済ませておく。ありがたい。
大阪でいつもだいたい見に来てくれるお客さんから、軒並み「けふはアカン」といふ答えを頂いてゐたが、それでもそこそこに集客はあり、嬉しい事に「大阪のアニキ」泉 尚也さんも久しぶりに顔を出してくれた。終演後「相変わらずシュウくんの音やな〜」との感想。
全国でも珍しい「アップライトピヤノが2台ある店」と云ふのを利用して、けふはツイン・ピヤノで演ったりもした。決して充分な音響設備がある訳ではないのだが、この店は音が良い。生のピヤノに合わせてヴォリゥムとトーンを少しいぢれば、それでOK。けふも大変演りやすく、いいかんぢのライヴ。
けふは京都の友人宅に宿をお世話になる。ので、その友人夫婦をウチの車に乗せて京都へ向かうのだが、こ・の・心斎橋が!。これでも店からだいぶ遠い(中心地からは少し外れてゐる)ところに停めたといふのに、なんだこの混沌は!?。車も歩行者もお構いなし。全人類が自分のこと以外見えてない世界。かう云ってはナンだが、年々酷くなるこの街の公共マナーの低下。「世紀末」といふ言葉がこれほど相応しい所は、他にないんぢゃないの?。
8月23日(土)名古屋 池下リトルビレッジ ーーーー
ゆんべ遅くに京都の友人宅にタッチダウン。
そっから夜が更けるまで飲み語り、朝は早めに起き出してコインランドリィと朝食の買い物へ。
てくてくと京都の道を歩くと、ま〜〜ぁ、昨夜のあの喧騒とは別世界のこの閑かさ!。「はんなり」感!。裏路地も表通りも整然と古く美しく、行き交う人々みな「はんなり」。あぁ〜京都ってえぇどすなぁ、とつくづく思ふ。ので、用事もないのに暑い中、路地を彷徨いたりもする。
昼すぎに友人夫婦に別れを告げ、今度は名古屋へ。けふはちょっと曇ってゐるので、運転が少しは楽だ。
途中、しーなさんが強く強く探訪を希望した甲賀の焼き物の町へ寄ったりもしながら、夕方には名古屋に着。
けふはお馴染みリトルビレッジ。今年2回目の推参。
大きくはないお店ながら、毎回満員で嬉しい。けふは新しいお客さんも数名おられて、まぁどのやうに伝わったか分からぬが、この店らしいリラックス感で演りきれた。自身的にはこの日の声がいちばん良く出てゐたかな?。昨日の大阪がちょっと調子悪い、といふかんぢだったが、持ち直したやうだ。
だが、だいぶ前の話、名古屋でチョーシこいて歌い喋りすぎて翌日の松坂でまっったく声が出なくなった事もある。今回同じルートだし、チョーシに乗らんやうにせんければ・・・。
ビレッジ名物、とも云ふべき、終演後もお客さんがそのままづーっと居残ってお喋りを続ける、といふ光景は今回も健在。特に、けふ見知ったばかりと云ふお客さん同士が、おつまみを交換したりするほど仲良げに歓談してゐる様子は、ホンマに音楽家冥利につきる。
8月24日(日)松阪 MAXA 夏祭りファイナル ーーーー
さて「ライヴ」としてはけふが最終日。
お馴染み松阪の名店、「世界一のライヴハウス」の呼び声高いMAXA夏祭りファイナルだ。例年だと、どっちかてぇとロック色の強いメンツに混じって何故かしーシュ、といふのが多かったのだが、今年は勿論ロックもあるが、アコースティック系やスタンダップコメディ、宴会芸まで出るバラエティ色豊かな出演者に混じってのしーシュ。
しーシュは割と早い時間帯の枠で30分。
リハもなく、サウンドチェックもなし、との事なので、もぅ余裕持って会場入り。いつもここで顔を合わせるメンバーも多く、遠方からの参加ながら「やぁやぁ」「元気?」と交流も楽し。
演りながらのサウンドチェック、なので、その辺を考慮した選曲で。静かに立ち上がって最後はプログレでシメる、みたいな・・。音楽性的には相変わらず浮きまくってゐるしーシュだが、もぅこの街にもその音楽を認識してくれてる人も多くなり、声援も拍手も大きい。ありがたい。共演者がみーんな、なんとなく律儀に客席に来て見てくれてゐる、てのが嬉しい。
13時に始まって20時まで。
この猛暑の中、店外の屋台で酒やつまみを売り、店内と行き来してイベントを回し続けたスタッフの皆さん、ホンマにお疲れ様でした。そればかりか店長の中山剛アニキは、日中づっと外で焼きそばを焼いてゐた上で、トリのステージ「チェンマイ・ブラザース」でも大暴れ。『途中から記憶がないネン』と云ってたが、ホンマに身体には気をつけて!。
いや〜、楽しかった。乗り打ちで四日間走り続け、最後にここで終われたことが本当に良かった。
出演者、共演者、スタッフのみなさん、ありがとう!。
8月25日(月) 松阪 待機ーーー
ぢつは明日、昨日一緒にステージに立った、横浜の朋友楽師 小川けんぢのレコーディングに、しーなさんがピヤノで参加する事になってゐる。本来ならけふ、といふ事だったんだが、「イベントの翌日にイキナリは・・」といふ話が(けんぢから)出て、そんなら壱日オフを取ってその翌日にしやう、とまとまった。
ので、なんとけふ壱日、松阪でのオフなのである。
しかも、レコーディングに参加するのはしーなさんのみ。私は「付き人」のみとしてのオフ!。素晴らしい!。
まぁここまでほとんど私の運転で来てゐるので、これを自身への褒美とさせていただこう。
そのオフは、昨日の出演者たちとの「朝ホルモン」でスタート。
嘘かホンマか知らんが、松阪では朝からホルモンを食す、といふ事で、朝から著名店「一升びん」に集う全国の楽師達。誇張なしのホルモン焼肉を、朝からバクバク食べる参加者たち。ハンドルキーパー以外は当然「飲む」ので、朝からハイボールだの生ビールだのがばんばん注文される。
私は上述のやうに、オフな上に明日も運転だけすればいい身なので、当然「飲む」。質の良いホルモンに「梅割り」が進む。11時から14時まで。まぁよく飲みよく食ったが、面子によってはその後もぅ一軒行ったり、カラオケまで行ったつはものもゐたと聞いた。みんな身体を大事にね〜。
その後私は当然、昼寝。
気がつくと松阪の街は日暮れかかっており、おまけにたらふく食ったホルモンのおかげで、夜になっても腹はまったく減ってない。聞けばしーなさんも同じらしく、晩飯はコンビニ飯で済ませる。松阪の夜にコンビニ飯。
8月26日(火)レコーディング&帰広 ーーーー
さぁ!ツアー最終日はしーなさんのレコーディングだ。
こは、我々とも懇意だった超人気バンド「りぶさん」が解散し、その後それぞれソロの楽師となり、その10年目としてリーダーだった小川けんぢが、初めてのソロアルバムに着手した、といふもの。おおまかなアンサンブルは東京や横浜の面子で録ってゐるものの、特定の曲で必要な「柔らかいピヤノ」はやはりしーなさんしか・・・・。といふ事で今回。
ツアーの合間に横浜まで録りに行くか?の話もあったのだが、松阪での両者ランデヴーが良い機会なので、ここで録ろう、となった。こないだまでのお祭り会場だったMAXAの隅っこを使って、のレコーディング。
さすがと云へば流石!の我が相棒。1テイクでオッケー。
念のため色々とアイディアや音色を変えたパタンで3通りぐらい録り、あとはお任せ、と相成った。流れで『シュウさんのコーラスも録っとくかぁ?』みたいなかんぢになり、まぁ使うか使わんか、はおまかせとして、いちをうコーラスパートを担当。
良きアルバムになることを祈ってゐる。11月に横浜でレコ発を演るらしく、そのメンバーに選ばれもしたやうだ。
楽しみである。
さぁ、そっから先はひたすら西へ西へ。夕暮れを追っかけるやうに、広島を目指して車を走らせる8時間の旅。
途中すごい雷雨に見舞われたり、逆に日差しが激アツだったりもしたが、20時頃には広島に着。
暑くアツかった晩夏の旅が、ひとつ終わった。
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