幼い時に泣き方を覚えたから

9月1日(月)ーーーーーー

9月になってしもぅた。

こないだの「自習室」が終わった辺から、なにやら右手の小指が痛い。私はギターを弾く時にこの小指を支点にしてピッキングするので、そのせいだらうか。・・にしては痛みが続く。

自身の誕生日にやる企画「あなたのために唄う」のリクエスト期間が終わったので、改めて整理。ぜんぶで20曲。そこそこヴォリゥムのある内容となった。全く唄ったことのない曲もあり、これを今から1ヶ月半かけてアレンジし、可能な限り憶えてゆく。わりと大変な作業となりさうですね。

9月2日(火)ーーーーーー

しーシュのリハ。

思へば「夜市」まであんまり時間がない。前回の『夜市50回目結成20周年』を境に9月はスキップするつもりでゐたのだが、それは進むデュオとしてどうよ?といふ事で、急遽9月を入れたのだ。自らに喝を入れる初老デュオ。

選曲の段階で色々な案が出てくるが、中学ん時に歌ったことがあるかないか・・?の曲の歌詞を、ほとんど憶えてゐて、しーなさんに気味悪がられる。人生でいちばん多感な時期に影響を受けた歌詞なので・・・。だが私の場合、いわゆる「記憶力がいい」といふのではNASAさうだ。

シナプスのどっかに「引っかかって」ゐるものが、何かのきっかけでポロっと落ちてくるかんぢで、たとえば「サヴァン症候群」に近いものなんぢゃないか?と・・。それが証拠に、もぅ壱回やろうとすると、最初の言葉すら出てこない、といふ事も何度かあった。

9月3日(水)ーーーーーー

半月ぶりのバイト。
タッグを組む学生のバイトくんにその旨話し、サポートよろしく、と云ふと『僕も半月ぶりっス』とのことで(笑)。まぁ、あんまり忙しい日ではなかったので、助かった。

夜はレッスンもある。最近、異常に格安な駐車場を見つけ、まぁそっからスタヂヲまで歩いて30分ぐらいかかるんだが、運動にもなるし、パーク&ヲークで出勤してゐる。んで、歩くんだが、9月になったといふのに、夜になってもほとんど気温が下がらず、むしろ8月より暑くなってる気がする。

9月4日(木)ーーーーーー

上述の右手小指の痛みが半端でなくなってゐる。よく見れば側部がぼっこりと腫れ、指の太さが倍近くなってゐるやうだ。当初「打ち身」かなんかだと思ってゐたが、なんかヤバいものにも思えてきた。骨折?。結節?。この指だけ爪も伸びてない、といふのも不気味。

なにが当たっても痛くて、ベースもフツーの指弾きはまだいいが、スラップやピック弾きをすると、かなりの確率で当たり、痛いのなんの。医者に行ったほうがえぇんだが、これはなに科に行けばいいのかね?。それに明日から遠征なので医者に行ってる時間ないし・・・。

9月5日(金)鳥取・吉岡温泉パーラー株湯ーーーーー

痛む指連れて遠征はじまる。
ゆんべあたりから痛みはピークを迎え、寝てゐてもヅクンヅクンと痛む。ので、旅の楽しみもあってほとんど眠れず・・。

広島→鳥取はアクセス的にはもっとも不適切で、どんだけ頑張っても5〜6時間はかかってしまう。同じ中国地方なのに、新幹線や飛行機で東京に行く方が早いのだ。かなり余裕を持って出発し、どうせなら、と有料道路を使わずにちんたら走ることに。実際、づっと山の中を走る高速道路より、一般道の方が趣があって飽きない。

そして吉岡温泉郷に着。ここに、明日「湖山池ベース」で行われる「えばこフェス2025」に出演する旅の楽師たちが、その前夜祭として集う。集いしは奈良から吉崎ひろし(バンジョー)、福山から前田宏樹(マンドリン)、犬山から富安秀行(SSW)、大阪から清水明日香(SSW)と、我らしーシュ。

この6人が入れ替わり立ち替わり、それぞれをサポートしたり指揮を取ったり・・。前回もさうだったが、このフェスに集う楽師たちは皆『演奏が上手い歌手』か『歌の上手い演奏者』なので、どんな組み合わせも可、なのだ。

けふも様々なバリエーションでお送りした。かういふ場では必ず「浮く」しーシュも、もぅだいぶそれに慣れ、むしろ浮きを楽しめるやうにはなった。それこそが20年の歩み、なのだ。楽しい一夜となった。

けふは現場から車で30分ぐらいの所にある民泊施設で全員が宿泊。明日の本祭では我ら終演後すぐに帰らねばならんので、仮打ち上げとして皆で飲み語る。楽しいひと時だが、指の痛みがもぅシャレにならんほどになってゐて、酒を飲んでる時はまだしも、酔いが覚めるとヅクンヅクンと重い痛みが・・。

9月6日(土)鳥取・えばこフェス2025ーーーーー

結局痛みのせいでけふもほとんど眠れず。
月曜日に医者に行くとして、あと二日これに耐えねばならん。く〜。

けふは「えばこフェス2025」本祭。皆早めに起き出して現場へ。会場の湖山池ベースは、360°ほぼ遮るものなき「広場」であり、前回(2023年)はえーぇかんぢの曇天でよかったのだが、けふはピーカンの予報。陽射しの強さがトラブルにならにゃいいが・・といふかんぢ。一本だけある樹の周りに、お客も出演者も陣取って、日照に合わせて移動してゐる、といふなかなか面白いことに。

さて、けふは昨日のメンツに、京都から黒田かなで(ヴァイオリン)と西沢和弥(SSW)のチョイスちゃん、大阪からタフィ水谷(ヴァイヲリン)と松井正樹(ピヤノ)のNBコンビが加わり、ますます芸達者な楽師たちの集いとなる。

昼の早い時間は、地元鳥取の個性的な若いミュージシャンの出演。これもクゥオリティが高く、鳥取のレベル侮りがたし。陽が傾き始める頃、我ら旅楽師の出番となる。しーシュは三番手に出演。前二つがお客さんを巻き込んで盛り上げるタイプだったので、ウチはあえてマニアックな選曲で(笑)。もぅしーシュのそんなひねくれを知ってる方も多いので、それはそれでOK。

自分らの出番も、コラボもしっかりと演奏し、楽しんだ壱日となった。

ただやっぱり指が痛くて、まぁ演奏中はアドレナリンの力であんまり気にならんのだが、一瞬でも気が緩むと激痛が走る。もぅ遠目で見ても分かるぐらい指が腫れてゐるやうで、皆に心配されてしまった。ここに来てどーやら骨折や打ち身などではなく、何かに感染してゐるらしい事が分かり、こりゃぁ皮膚科だな、と・・。

だが、あともぅ壱日・・・。

9月7日(日)広島・銀山ベースーーーーー

昨日、フェス終了を見守り、大方の人への挨拶を済ませ、一気に広島へ帰る旅に出た。しーなさんと交代で運転したり寝たりしながら、思ったより早く帰って来た(午前0時半ぐらい)のだが、そっから少しトラブルがあり、それが解決できたのが2時ぐらいだった。

指はもぅ何をやっても痛く、寝れたもんではないかんぢ。痛み止めももはや効かず、けふの現場はもぅこれしかないな、とボルタレン座薬をけつに突っ込んでライヴに挑む。けふは「GTOのワクワクドキドキ音遊び」といふイベント。

これは友人でもあるアマチュアベース弾きゴトーくんが、定期的にやってるライヴらしく、けふのはそのスペシァル版て事で、出演者全員がベースヴォーカル、といふもの。前回やったこれを客として見に行ったところ、「次回は出て」の話になり、まぁ気楽なイベントだからいいよ、と受けたもの。気楽に、とは云へ、けふの出演者はみんな一様に私をリスペクトしてくれてゐるらしいので、下手はできんぞ、と・・。

久しぶりのソロベース弾き語り。
指の痛みは邪魔になったが、まぁ圧倒的な経験値と老獪さで乗り切った、といふかんぢか・・。初めて見た、といふ人も涙を流して感動してくれてゐたので、まぁ成功だったかね?。もっと思いっきり弾きたかった、てのはあるが・・。

他出演のヤマナカーニャ、世界で唯一『梶山シュウになりたがってゐる(笑)』山中真一はもちろん、ハワイアン・デュオクレオのロッキーさんも、私の曲をカヴァーしてくれてゐるさうで、奇しくも旅の途中で届いた大阪の友人からのメールには、私の歌を地元のオープンマイクで歌う姿があり、ま〜ぁなんとも光栄な事だ。

こんな嬉しいことはないよ。
以前、私が旅師匠・豊田勇造さんの曲をカヴァーした所、勇造さん『泣きたいくらい幸せだ』といふ曲をアンサーに贈ってくれた事があり、ほんとだよなぁ、と思ふ。それだけで、自分が生きてきた意義がある、と云へる。

みんな、ありがとうね。