俺を好きじゃないやつのことで悩んでる時間はない

俺を好きじゃないやつのことで悩んでる時間はない

3月8日(日)こうち芸能フェスティバルーーーーー

旧縁の友人からオファーを頂いた東広島市は河内町のイベントへ。

理不尽な市町村合併&統合により、過疎化が進む河内町の若者有志一同が主催して、年一回開催されてゐる、といふイベント。小学生の歌唱から地元のおぢさんバンド、詩吟や剣舞まで出揃う、けっこうしっかりした催しである。客席の年齢層はたしかにかなり高めだが、皆がイベントを本気で楽しんでゐる風情が感じられ、良い雰囲気。

しーシュはゲスト枠、てことでトリを任される。年齢層やらを鑑み、カヴァーを多めに取り入れ、要所でオリジナルを挟み込む王道パターンで。思いの外みなさん真剣に聴き入ってくれ、MCにもよく笑いが起きる。アンコールも極めて自然に起こり、ぜんぶで40分のステージを完遂した。

会場には、いわゆる「公民館PA」しかない、と云ふ事で音響機材を持ち込みで演ったが、グランドピヤノがあるのでしーなさんには良かった。充分なサウンドチェックができた訳でもないが、まぁまぁな音が作れたことだらう。オファーをくれたMさんの顔を潰すことなく、完遂できたのはよかった。楽しさうな表情で帰ってゆくお客さんを見て、ほっこりした気分で、我らも撤収。

今季で地元唯一の公立高校も吸収合併されるさうで、実行委員のお一人は、この町の若者の数はさらに減ってゆくだらう、と嘆いておられた。一部の目先利益だけで統合や合併を繰り返す地方政治の闇は、田舎に行くほど深刻化してゐる。我らに出来ることはないが、せめてひとときの安らぎを与えられたのなら、幸いだ。

3月9日(月)ーーーーーー

休みとす。よく晴れてゐるが寒い。
買い物がてら長めの散歩やら。

夜、通販で頼んでゐた品が「置き配」で届いた、と知らせが来たので玄関に出てみるも見当たらん。『?』と思って確認写真を見てみると、明らかにウチの玄関ではない場所が写ってゐる。宅配業者よ!!。

写真をよく見ると、隣のアパートの敷石に似てゐるのが少し写っており、探索してみると、あった。たいへん似た名前のアパートではあるが、これはないぞ業者さんよ。中身が「パンツ」だったので、これでこの部屋の住人が一人暮らしの若い女性、とかだったらどうするよ!?。気づかれる前に奪還できて良かった。

げに、ちゃんと仕事してください。

3月10日(火)のなか悟空・アビエルトーーーーー

「野蛮ギャルド・ドラマー」のなか悟空、来広。

ドラムセットを担いで文字通り世界中の辺境地を旅して来た男、としてその書籍を読んでゐた当人と、ひょんな事から共演が実現したのは2011年のこと。その時の演奏を、なんか気に入られてその後何回か共演を重ね、ツアーも一緒に回ったりした。お会いするのは10年ぶり、くらいかね?。

そのライヴは100%の即興。しかも「他者の演奏と呼吸を見て絶妙な押し引きを」とか「ともに空間を染め上げて異世界に」とか、さういったモノは一切ナシ(笑)。元々は歌伴もジャズもイケる御人なのだらうが、いざ自分の看板を背負うとそこにあるのは、ただただ『己の魂の衝動』。ビートすらなく、ただ思いのままにドラムを(それ以外も)叩きまくり、叫ぶ。共演はサックスの鈴木芳幸、ピヤノに吉岡かつみ、舞踏に大槻オサム。あと急遽飛び入りといふ形で創作生花の羽鳥智裕。1st は30分、2nd が40分強のフリー・インプロヴィゼイション。

以前の共演時には、それでもまだ「音楽的」な展開になったりした時もあったが、けふはそれが全くなかった。轟音に次ぐ轟音の奔走。ノイズの嵐。あまりの混沌に、私は途中で弾くのをやめたりすらした。まぁそれが「逆に目立ってスゴかった」さうだが・・・(笑)。

まぁ正直な話、私はかういふタイプの即興はもぅいいや、と思ってしまった。悟空さんを否定するつもりはないが、同じ即興を演るにしても、私はやはり観客に「音楽的な感動」や「動的なイメージ」を感じてもらえる事がやりたい。思い思いに音を出し合って生まれたものが結局ノイズ、でしかないのなら、音楽家がそれを演る意味などないやうな気がする。

3月11日(水)ーーーーーー

何かのおススメに出て来た「ぼくは12歳」といふ音源に驚いた。

こは、早熟の天才詩人、と謳われる岡 真史の詩に、高橋悠治が作曲編曲し、中山千夏が歌唱を担当したソングブックださう。1977年作品。この岡真史といふ人のことは全然知らなんだのだが、いっ時ブームとなった山田かまちと同様に、死後親族によってその作品が世に出された。

その詩の内容は、厨二病ともとれる山田かまちと比ぶれば、説教くささがない、といふか、割と無邪気に思えるもの。高橋悠治氏がなぜこれに反応したのか、はもぅ分からんのだが、わりと本気で作り込んでゐる、といふ印象。言葉にはもともとリズムとメロディがある、といふ事を再認識させてくれるやうな完成度である。ある意味、すごいプログレッシヴ。今の現役メヂャーミュージシャンの一部が、いくら教養が深いとは云へ、これは作れぬだらうと思ふ。スゴいなぁ。

曲もよく出来てゐるが、中山千夏の歌唱がまた素晴らしい。ベルカントでもなくソウルフルでもなく、しかし、ちゃんと訓練を積んだ 本当に「まっすぐな」歌声。私はかういふ歌唱をする人こそ、賞賛に値すると思ふ。

いや〜、これホンマにスゴい音源。しばらく聴き続けたい。

3月12日(木)ーーーーーー

3ヶ月に一度の・・、だが、まぁ色々あって半年ぶりになってしまった歯科検診にゆく。

ガキの頃は、「宿命的な虫歯の人」といふかんぢで、まぁそのせいで歯並びはガタガタなのだが、いつの頃からか徹底的に歯磨きをするやうになり、ここ十数年は歯のトラブルとは無縁。今回も「たいへん丁寧にケアをされてゐてヨシ」とお墨付きをもらう。・・・10代の頃からこんなんだったら今ほど銀歯も入ってないんだがねェ・・といふかんぢだが、まぁ済んだ事はしょうがない。

知人には「歯磨きはせぬ」とかいふ豪のモノも居たりする。彼曰く『せっかく食べ物の味が残った口をなぜ無に帰するのか?」といふことだが、さういふ人はおそらく虫歯にならん体質なのだらう。羨ましい限りである。古希を迎える頃、彼の歯がまだ健全である事を祈ろう。

3月13日(金)ーーーーーー

バイト→レッスン、の流れの後、ぱんぱかトリオのリハ。
来月の関内はサラスヴァティ弁天、ぱんぱか初登場ライヴへ向けて策を練りつつ。

今回はしーシュの常箱であるサラスヴァにカワの字を連れてゆく、といふ形になるので、カワの字としーシュ双方の持ち味をうまく活かせるやうにラインナップを推敲。私とのデュオ「ツタンカーメンず」はもちろん、しーシュの曲にカワちゃんがダラブッカで参加する曲もある。

カワちゃんがダラブッカを叩くのはアラブ音楽への造詣による。そのおかげもあって、変拍子への対応が上手い。むしろフツーのドラマーやパーカッショニストが片手間でダラブッカ叩くのより、はるかに良い。私は常々この男の「ぢつは音楽力が高い」ことに着目してゐるのだが、「亀の庭」とかにアドリヴでソロを入れたりするのを見て、それを確信するに至った。

オモロい。

3月14日(土)ーーーーーー

しーなさんが新曲ができた、といふ事で、急遽しーシュのリハ入れる。

「街の片隅で」以来のしーなさん作品。相変わらず、私には思いつかないコード展開が随所にあり、感心。歌詞の世界観も良い。ゆったりしたバラードなのを私がビートを加え、むしろリズミックにしてみる。イメーヂが一気に広がり、これを手直ししてゆく方向性が見えた。これにて、しーシュ99曲目の萌芽、となった。

その後、友人であり、もと広島逓信病院整形外科長・進藤センセイと久しぶりに宴会を設ける。一時期危ぶまれるほど病魔に伏せっておられたが、見事復活して、またこのやうに一緒に酒宴を囲めた事は嬉しい。先生に振っていただいた医療関係の仕事が、先生退陣の後もまだ繋がってゐて、我らにはとてもありがたく、感謝してゐる。

先生、元気でゐてね。