週変わりのシュウ

花のパリそば(楽師週間)

11月9日(土) パーカッション・キャンプ2024ーーーーー

夏の風物詩だった野外イベント「パーカッション・キャンプ」が終わって9年。
主催者だったパーカッショニスト 水木ツンの息子ヨータの呼びかけで、こたび秋の野外フェスとして復活!。同じ日の他のイベントからお誘いはあったが、このパーカスキャンプで名を売り始めた我らしーシュとしては、その恩義を、この復活祭でお返しせずにしてなんとする!?。

といふ訳で、9年ぶりに復活したパーキャン。
暑い真夏の開催から一転、秋深まる中の野外は爽やかで気持ちが良い。例年だともぅ少し寒いのかな?。異常な秋で良かった、、といふかんぢか?。

父親のツンちゃんから息子が受け継いだイベントな訳で、当然彼らが募った参加者は若者が多い。いやこれはいいことだ。もちろん旧パーキャンから継続して参加する仲間も大勢居たが、そこに全く新しい家族やバンド、楽師たちが混じってゐる様は、ホンマに「いいなぁ」と思ふかんぢだった。

出演者としてはツンちゃんに次ぐ年配者となったしーシュは、おのづと「音楽部」の中心となり、特に私は各バンドへのオリエンテーションや、幕間の司会進行まで仰せつかり、まぁあんまり上手い事は出来んかったが、もぅチカラ仕事は出来ぬ分、少しでも役に立てれば・・。

そして昼過ぎから始まったステージの方も、ヨータのコネクションや現在のツンちゃんの若弟子を中心とする、私らからすれば「孫世代」とも云へる若き楽師たちの奮闘で、ジャンルも多様化し、華やぐ。これは素晴らしいイベントだ。復活を寿いで、トリを任せられたしーシュも渾身のステージを・・・

したいところだったが、なんかステージの上の音場が酷く、何を弾いても何を歌ってもダンゴのやうな響き。モニター出来んから張り上げるので、声もどんどんカレてゆく。5曲ぐらいは演る予定だったが、流石の私も3曲目で「もぅやめよう」と言ったほど。

しかし会場からは「もっと歌って〜」との声もあり、なんとか4曲、演り通した。しーなさんとお互い讃え合いよぅもない、まったく手応えのないステージだったのが残念。最後にビシとして演奏でキメたかったのだが・・・。

打ち上げはパーキャン名物、手作り料理のオンパレード。私は昼過ぎから勝手に火を熾して、かってに持ち込んだツマミを焼いて食ったりしてゐたが、夜も更けると火の周りにみんなが集まり、温めた酒を飲みながら歓談したり、歌ったり・・。

夏のパーキャンも良かったが、秋キャンはこれがいいんだねぇ〜。

11月10日(日) ーーーーーー

車中泊して、朝7時くらいに目が覚めると、出演バンド「AQUA」のトラムペットの青年(名前忘れた!)が、楽器持ってウロウロしてたので、『ラピュタの朝テーマ吹けや』と云ひに行こうとしたらそれを吹き始めたので、拍手喝采(笑)。「本当はもっと早い時間に吹こうかと思ってたんですけど、シュウさんが車で寝てたので・・」とのことで、気ぃ使わせてスマンなぁ・・。

ほかの皆も三々五々起き出して来て、それぞれに朝飯。早めに次の現場に行くものや、片付けをやってくれるもの、最後はやはり私の「閉会宣言」でお開き。素晴らしいパーキャンの復活だった。また来年!。

昼過ぎには帰宅。
明日はひとりまた大阪まで旅立つので、備えて体調管理。早めに寝る。

11月11日(月) ソロベースの祭典 Vibbassion@大阪 戦国大統領ーーーーー

11/11が「ベースの日」といふことで、前に京都で一度共演したデュオ「絶妙なアンバランズ」のベース キムラ亮くんの主催で、なんと出演者全員がベースソロ、といふイベントに呼んで頂いた。

地元広島でも11/11にはそのテのイベントが行われてゐるし、お誘いを受けたりもしたのだが、私のあり方とは絶妙に趣旨が異なるので断った。しかし出演者全員がソリスト!となれば、なるほど私が出演せん訳にはいくまいて!。

と云ふことで在来線にて6時間かけて大阪入り。18切符が使えたらなぁ、との思ひと、久々に乗る長距離在来線が「こんなにゆっくりだったっけ?」との思ひ・・。かつてはあんだけヒョイヒョイと何処にでも在来線で行ってたのにね。旅を忘れてゐるな。

会場の緑橋 戦国大統領は、聞くところによると、大阪で唯一「爆音」「火吹き」「花火」「煙幕」あたりがすべてOKな箱らしい(笑)。いかにもなライヴハウス然としたハコで、あぁかういふのも久しぶりだぁ・・と思ひながら。亮くんがゐるからアウェイ感はさほどないが、程よく緊張しながら本番へ。

私の前の星乃ららさんが、スラップバキバキのノリノリパフォームだったので、その次の私は作戦を変え、バラードから静かに入って徐々にアゲてゆくかんぢで・・。

まぁ正直、圧倒的に「ソロ慣れ」してゐるのと、あとまぁダントツに年寄りなので、老獪さでぜんぶ演り切った、てかんぢかな?(笑)。おかげでお客さんや共演者からも絶賛を得られ、久しぶりにCDが売れた。

出演者全員がホンマに個性的で面白かった。上述ららさんのスラップベース、亮くんのアングラ感満載のひとりロック・ショウ、トリのチカゲくんはバックトラックを流しながらの変拍子の嵐!。それぞれに素晴らしいパフォームの連続で、これは在来線ではるばる馳せ参じる価値の十分にあるイベントだった。

誘ってくれた亮くんに大感謝。

宿と店が徒歩で20分ぐらいかかる場所だったが、トコトコ歩いて帰る。全く見知らぬ夜の街を歩くんは、多少の勇気も要るが、楽しい。東京と違って、大阪は細い道に入ると夜は人っ子一人いない、てのが多くて、けふもそのかんぢ。黒猫一匹とすれ違ったのみで、宿に到着。

11月12日(火) ーーーーーー

いわゆる「ドミトリー」といふやつに泊まったのだが、まぁぶっちゃけ「ドヤ」であったな。
シャワーは24時間使えるし、トイレはまぁまぁ綺麗だったし、寝床そのものは悪くなかったのだが、寝具がクサいのにはまいった。色んなところに泊まったが、あれはナイ。

ほかの宿泊客を見る限り9割以上が外国人旅行者のやうで、彼らはかういふところにヘーキで裸で寝たり(そもそも彼らシャワーは朝浴びる)するから、なのかもしれないが、それだとしても、きちんと毎回洗ってゐたらあんな事にはならんと思うがネー。いろんな宿に泊まってきたが、あれはヒドい。一晩寝れば慣れはするんだが、自分の服ににほひが着きさうで、それだけは勘弁してほしい。

そんなかんぢで、おめおめ帰る。ホンマは夕方の新幹線かバスか予約して、民族博物館に寄って壱日過ごそうか、とか思ってたんだが、在来線旅なのでスゴスゴ帰った。途中、マナーの悪い青年の群れと喧嘩になりかけたりしたが、夕方にはまぁ無事広島に。

11月13日(水) ーーーーーー

明日から、こんどはしーシュの旅。

ツラツラ思ふに、しーシュで旅するやうになって、私は初めて「移動」と「宿泊」に金をケチらぬやうになったんだなぁ、と・・。

ここんところのソロ旅で立て続いた安宿や過酷な移動にうんざりはしつつも思ひ出したのだが、そもそも私にとって唄旅とは「あぁいうもの」だった。まぁ『便利で安いもの』を知らんかった、といふだけの話なんだが、あれを今でも続けてゐたら、あんな宿でへーきで眠り、ベースを抱えたままの狭いバスでも熟睡できる旅人になってゐたかもしれない。

でも流石にそれにしーなさんを付き合わせる訳にはいかんし、流石に私も還暦近くなって好んで過酷な旅がしたい訳ではないんでネー・・。

11月14日(木) ーーーーーー

飛行機を使う時に、楽器をどうするか?は割と大きなテーマとなる。

まぁどーするか?っつっても、今や航空会社に預けて乗るしかないんだが(昔は持ち込みもOKだったさうな)、どう預けるか?ですね・・・。本当云ふとハードケースか、もしくはセミ・ハードケースぐらいに入れた方が良いんだらうが、そんな事をすると旅先で嵩張るのは必至。ましてや東京なんぞで、デカいハードケース抱えて歩いて電車に乗る、なんてのぁ御免被りたい。

ので、いつも使ってゐる、いわゆるギグ・バック(私のはメーカーによると『プロテクト・ケース』らしいが)に入れて預ける。いちをう在庫があれば楽器専用のハコに入れてくれるのだが、今回はそれがない、といふことで・・・。プチプチで全身くるんではくれるが、壊れた時の保証はナシ、といふ一筆を書かされる。

ぬ〜〜〜。

11月15日(金) 今年最後の横浜@関内サラスヴァティ弁天ーーーーー

こないだソロで来たばかりのサラスヴァ。
それも含めると今年4回目のサラスヴァである。

コロナ時代は、飛沫防止対策としてバイオハザードのやうな物々しい内装になってゐたここも、よぅやくフツーのライヴ酒場、の様相になった。けふは久々に席が全部埋まる状態でのライヴ。しかも本当に久しぶりのお客さんも来られて、チョイと気が早いが忘年会のやうなかんぢのライヴとなった。

新曲を多めに演った上に、アンコールでは、リクエストに答えてこないだ「夜市」で演った『わんだほーTVアニメ組曲』も演奏。あれ以来譜面も見てなかったが、憶えてるもんだねェ。歌詞も全部出てきてOK。

良き夜だった。

11月16日(土) アニバーサリィ・コラボ@中目黒FJsーーーーー

長きにわたる友人にして、お江戸では私との共演回数が一番多いSSW 角辻順子ちゃんの企画とお招きで実現した中目黒。これも旧友にして久しぶりのSSW ユウ・サミィをサポートに迎え、お互いの20周年を記録するライヴだ。

数年前に大病を患い、しばらくリハビリ期間に当てられてゐた順子ちゃん。けふはその復活を寿ぐ場でもある。まだ長時間ギターを弾くのはツラいらしいし、声もまだ完全に復活!とは云へないが、そこはサミィが絶妙にサポートし、盛り立てる。やや冗長なMCも、間を置きながら、のライヴには必然なのだらう。感動的なステージだった。

しーシュも応えるべく、渾身のパフォームを。
けふはグランド・ピヤノがある会場なので、しーなさんには伸び伸び演って頂けるのが良い。私も音場をあんまり気にしないでいいので演りやすいのだ。けふはまた声も指も絶好調で、歌いまくり弾きまくった。順子&サミィ&しーシュのコラボタイムも、一切手加減抜きでイキあげた。その分、終演後の腕の痛みがキツーイ。

会場には「妹分」高満洋子も来てくれており、バンドでのレコーディングを終えたばかりの彼女も交えて、打ち上げ。そのあとはみんなで駅まで歩く。歩きながら、順子ちゃんと初めて出会った頃・・・、私がひとりで東京に来始めた頃・・・、2001年とかその辺の事をしみぢみ思ひ出す。

我らはこんなに遠いところまで来てしまったのだね。

11月17日(日) オフーーーーー

東京で日曜日がオフなのは珍しい。
しーなさんはこちらの友達(宿主)と昼から食事会(宴会)。
私は久しぶりに新宿でも行ってみるか、と思ふも、暑いのと人が多いので断念。
途中で引き返して、しーなさんの食事会(宴会)に参入。

11月18日(月) 夜の木をねぐらにして`門前仲町チャービーーーーーー

関東ツアーも千秋楽。
今回のツアーの目玉、新曲発表の日である。
まぁこの事については以前のブログにも書いたので、割愛しやう。ぢつを云ふと初日サラスヴァのサウンドチェックの時にも何回か合わせて、『新曲リハ』をしてゐたのだ(笑)。

チャービーは音が良くて演りやすい、といふのは毎回書いてゐる。まぁだからこそ新曲のお披露目にはもってこいなのだが、けふはその他も内省的な曲を中心にラインナップを組み立て、ぢっくりと練り上げるやうにパフォーム。また、ここに来るお客さんもグっと聞き入るタイプの人が多く、けふの狙いはヒットしたかな?。

「巻きのしーシュ」は健在で、けふも1stステージは8曲演って40分いかなんだ。あまりにサクサク演ってはナンだ、と云ふ事で後半は長めのMCも入れ。それでもアンコール含めた9曲が、やはり45分以内には終わり、21時には完全撤収ーぅ。

いや・・・「巻きの〜」は出演者の多いイベントでは重宝されるが、ワンマンでまで「巻く」必要はホンマはないんだがネ・・・。

新曲「夜の木をねぐらに」はチャービーのオーナーミミさんも納得してくれた様子。なんとな〜くウチを気に入り、気にかけてくれてゐる様子が、とても嬉しい。ありがとうございます。

11月19日(火) ーーーーーー

今年最後の東京ツアーが終わった。

来るたびに思ふのは、ナンダカンダ交通費や滞在費がかかり、興行として成功するケースが少なくても、この街にはやはり定期的に来ておくべきだ、と云ふ事。東京が全てだと云ふつもりもないし、広島やほかの地がダメだとか云ふことでもなく、この混沌の大都会で、年に数回でも 自分たちの音楽を提示し続ける、といふ事の大事さだ。

我々には、いつか必ず「ここに立つことができなくなる」時が来る。それはさほど遠い話でもない。どんなに崇高な意思を持ってしても、時間には勝てない。その時まで、我らは足繁く、この街に通う。挫けず、ヘコたれず、しづかに、確かなる意思で、旅路を続けるのだ。