週変わりのシュウ
3月16日〜22日
多くの場合、正直は不正直よりも損をする

3月16日(日)ーーーーー
庄原から東広島は安芸津まで。とゆーのもけふは安芸津で法事なのだ。
ホテルの質素だがなかなか心のこもった朝食を摂り、ナビを頼りに安芸津を目指す。完全に「山越え」のルートになるので、雨模様にて悪路だったらヤだなぁ、と思ってゐたが、予想以上によく整備された広い道路ばかりで、しかもほっとんど他の車がいない。霧にけぶる山並みや名前のない滝などもあり、大変よろしい風景の中を約2時間。
色々くたびれてゐるやうで、法事を終えた後もなにかダルい。早めに失礼させてもらい、帰宅。その後珍しいことにそっから3時間近くも昼寝をしてしまった。
昼寝をしすぎた事と、どーやら本格的に進行してきた花粉症による目の痒みのせいで、その夜は なかなか寝付けず。
3月17日(月)ーーーーー
寝不足と謎の腹痛を抱えてバイトへ。
今週のバイトはこれ一本のみなので、踏ん張って頑張る。
夜はレッスン。生徒から、こないだの弦が切れたライヴの感想など聞く。なんであんなことができるのか?の話になり「マルチタスク」といふものを説明。これがいかに脳みそに負担をかけるか、など(笑)。
3月18日(火)ーーーーー
しーシュの朝リハ。明日のイベント「いのちのあかし」に向けての・・。
今更ナニかアップデートできる訳ではないが、いちをう録音してどんなかんぢか?を確認。
夜は楽器店のレッスンを休みにしてのんびり・・と思ってゐたが、結局私塾の方に生徒の希望が入り、レッスンへ。
3月19日(水)いのちのあかし@アステールプラザーーーー
朋友 姫石ミミの企画による、広島被爆80周年を問ふイベント「いのちのあかし」本番。
彼女が教鞭を取る、如水館高校舞台芸術科の生徒や、パフォーミングスタジオTipのメンバー。演出に中村房絵、音楽総括に椎名まさ子、と言わずと知れた仲間達を擁し、そこに私も絡ませてもらう、といふ、割と一大舞台なのである。
総合的なストーリーの主軸に、カシラこと小林一彦の名曲「向日葵」を据え、それへのアンサーソング、といふ形で私が書き下ろした「遠景」を並べる、といふ、私にしてもなかなかキアイの要る現場である。しかし、またよりによってけふになってしーなさんが声を失う、といふハプニング!(花粉症か?)。
リハで何度かトライしてみたが、どうにもしーなさんの声で「一番美味しいところ」が使えない、と分かり、それをどのやうにリカバーするか?・・。まぁ私もこの20年のしーシュ歴の中で、何度もしーなさんに助けてもらってゐる。ここで役に立たねばただのシュウである。不調のしーなさんを支え、時に引っ張り、まぁまぁまづまづの仕事ができたやうだ。
会場は200人超の満員で、老若男女いろんな人がけふの企画で「生きる」といふ事に思いが至ってくれれば良い、と思ふ。声高に「戦争反対」「核兵器廃絶」を叫ばずとも、その想いは我々にちゃんと根付かせているぞ、と。
会場にはカシラも息子を連れて来てくれており、全面的に自分の曲(モティーフ)がフィーチャーされてゐたことに驚きながらも誇りに思ってくれてゐたやうで、私の「遠景」に込めた思ひも理解してくれた。すべては、彼の「向日葵」ありきの企画だったと思ふ。感謝。
他にも生徒や友人、私の出身校である高校の在校生の集団、なども来てくれており、そのお客さんほぼ全員に深く感謝をされながらの終演と云ふ、まことにパフォーマー冥利に尽きる夜だった、と云へますまいか?。
ホンマに良い企画に参加させてもらった、といふかんぢ。さらに感謝。
しかし、打ち上げを終えて帰宅し、風呂に入ってツラツラ反芻するに、結果として舞台の何一つ色褪せることはなかったにせよ、思い通りに歌えなかったしーなさんにとってはかなり「無念な」ステージだったろうな、との思ひが・・。楽師として長く活動する上で、多分誰もが一度は経験するであらう「あの無念さ」である。
過剰に落ち込んでなければ良いと思ふのだが
3月20日(木/祝)ーーーーー
けふはぱんぱかトリオの今年初(!)のミーティング。
早めにしーなさんと落ち合い、昨日の感想や手応えなんぞ話し合う。各方面から相当な高評価が来てゐるらしく、良かったねぇ、と。しーなさんもさほど落ち込んでおらず、ホっとする。
カワのじも合流して、だいぶ遅い「新年会」へ。今年はじめに決まってゐた新年会が、私の事情で流れてしまって、のけふとなった。まぁ今年もGWの恒例ライヴ「ぱんぱかフェスティバル」も決まったことだし、このトリオでもしっかり演っていきたいね。
3月21日(金)ーーーーー
30回目の結婚記念日である。
阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などあった年(時期も近い)に結婚したので、マイルストーン的には分かりやすい。30年・・・、ほぇ〜〜〜!!。スゴいことだ。
この日は毎年なにか「祝いの席」を設ける。去年はネパール料理、その前はベトナム料理だったりしたが、今年はフツーに居酒屋にて。お互いに「老」の字がはっきり見えてきた昨今、健やかであれ、とさらに強く思ひながら乾杯。
ただ、健やかであれ。それだけでいい。
「いのちのあかし」の打ち上げから、毎日「呑み」が続いてゐる。
3月22日(土)ーーーーー
シモン・ストレンハーグのグラフック・ノベル「エレクトリック・ステイト」が映画化されたのを見る。
これ、原作、といふかそのグラフィック・ノベルそのもの(の日本版)を取り寄せて読み、映画化にたいへんな期待を持ってゐたのだが、正直『う〜〜〜む』といふ印象。
ノベルズの方は、なにかよく分からんけど「大きな災厄(戦争?)の後の荒廃した世界の孤独」を描いた、静謐で不気味な世界観、が素晴らしいのだが(写真と見まごうほどの緻密なイラスト)、映画はなんか妙にコミカライズされてゐて、シリアス感ゼロ。ただの人間成長物語&機械と人間の友情ドラマに成り下がっており、どこにでもあるこのテの話を、また見せられてゐる、といふ、・・・なんだかネ、のかんぢ。
無理にハッピーエンドにしたり、物語に整合性を求めなくてもいいのに、と思ってしまう。まぁその観点こそが「ポップ」といふ事で、もはやポップでないものなど誰も求めてない、と言はれればそこまでだが・・・。