週変わりのシュウ

夜に身を隠さう

2月15日(金)下関T-Gumbo --------

去年の6月にソロで車中泊をしながら巡った山口県3箇所を、しーシュで巡るツアー。題して「ふるさとレコ発ツアー」。

冬用タイヤに履き替えたは良いが、チーともその甲斐のない温い冬。ぐっちは西へひた走る。広島〜下関は意外に遠いが、この辺の地理もだいぶ頭に入り、すぃすぃ進むことができるやうになった。

下関T-Gumboは一昨年ぐらいから来はじめた箱。穏やかな磯部マスターご夫妻の雰囲気そのままに、リラックスして演奏できる気がする。けふも良いかんぢだった。

対バンを務めてくれたのは、去年の2月に北九州は小倉でご一緒した、沖縄ンポップデュオEstrellaのふたり。和やかな歌声で先陣を切ってくれた。

歌と三線のyumiちゃんのダンナさんが、なんと千葉県は柏の出身とかで、こないだワシらがライヴしたルンビニもよく知ってゐる、といふ。「まさかここでルンビニの話を聞くとは!」と驚いておられた(笑)。

2月16日(土)萩 陽だまりガーデン--------

ひとり旅の時と同じく、唐戸市場のテイクアウト寿司で朝食。クジラのフライが美味かったので、大量買ひして今夜の萩へのお土産とす。

そのひとり旅ん時は、本州の端っこをぐるっと回るルートで山陰へ抜けたが、けふは美祢市を抜けるルートで萩を目指す。早めに萩に着き、挨拶も兼ねて藍場川の家に顔を出しておぃしぃチャイなど頂く。店主の室田佳子さん「今日、行くよ」と・・。

会場の陽だまりガーデンに着。マスター山縣さんご夫妻と近況報告などし合った後、セッティングに入ったのだが、この時 なんとミキサーを積み忘れてきた事が発覚!。やっべぇ!レコ発ツアーに新作CDを忘れてきたカワちゃんの事を笑えない!。

生声で演るか・・?とか、取りあへず手持ちの機材でなにが出来るか、を考へながらセッティングを進めてゐたが、この地に在住の友人シンガー軍曹が、自前の機材をここに置いてゐる、といふ。早速 連絡を取り、貸してもらふ旨 取り次ぎ、事なきを得た。

まぁ生声でも出来なくはなかったらうが、会場は満員だったのでだいぶキツかった事だらう。軍曹に助けられた!。ありがとう。PAシステムを軍曹に見立ててのMCには場内大ウケであった。

打ち上げにも多くの人が残り、わぃわぃと談笑。「海外で演れば絶対ウケる」と仰る方がゐる。具体的に紹介していただければいつでも行きますよ。

しかし、けふの忘れ物事件は、車旅に慣れてきたことの反省点として、ちょうど良い機会だったかもしれぬ。出発前にキチっと確認せなんだワシの落ち度は大きい。今後は気をつけねばね。

2月17日(日)宇部 Big Hip --------

しーなさんの生まれ故郷 宇部市。

「弟分」小田よぅねん達との交流のおかげで、ここ数年はワシの方が馴染んでゐる宇部だが、この街を歌った「遠い町」を含む新作「小鉢その四」をしーなさんがここに持ってくる、といふ意味は大きい。しかもジャケは宇部市商店街の写真だ。

宇部に来はじめて最初の頃は、しーなさんの旧友を中心とする同窓会的客層で占められてゐたBig hipも、最近はしっかり「しーシュのファン」が集ってくれる。ウチが全国巡ってるなかでも、今や珍しくなったライヴハウス的ライヴハウス(ちゃんとステージがあってPAがあってオペレーターがゐる、といふ意味)だ。

共演は、よぅねんのHyper Dunkと、モジモジくん。このモジモジくん。名前からは想像もつかぬオサレでジャズィな音楽を演る男女デュオ。「改名したら?」と無責任な発言。

ファンキーなHyper dunkからアンコールの全員総出によるフィナーレまで、会場いっぱいのお客さんが楽しんでくれた。

前回、宇部に一人で来た時には、前日までのなんやかやで疲れ果ててゐたワシ。よぅねんとの話にもあんまり付き合ってやれんかったな、との思ひ。ので、けふは打ち上げが終了した後も、寝る前まで差し向かいで飲む。もぅ深夜1時超えてゐるのに、ちゃんぽんなんぞを喰ふよぅねん。さすが肉体労働者!。

 

2月18日(月)---------

広島へ帰る。

ゆんべあんまりよく眠れなんだので、帰りの運転がシンドいかな?と思ったのだがさにあらず。眠さもなく、ひた走る。しーなさんが「休憩したら?」と云ふくらい、快調に車を走らせた。

一旦帰宅し、レッスン。壱日に一人だけ、といふレッスンは非効率的ではあるが、せめて行き帰りに運賃を発生させぬやう(歩くかチャリか)にして効率化を図る(?)。

2月19日(火)---------

ミッキー・ローク主演の映画「レスラー」で、長年の疎遠からよぅやく心の距離を縮めた父と娘が、見るもダメダメな父の怠惰により、その絆を完全に崩壊させてしまふシーンがある。

「なんで俺はこんな・・・」と嘆く父に、娘は

「あんたが最低のクズだからよ!」と言葉を投げつけ、最後の抱擁すら拒否して、自分の人生から永遠にその存在を切り離す。

全盛期を過ぎ、身体も壊し、友らしい友もおらず、娘に捨てられ、恋人にも去られ(ぢつは去ってはゐなかったのだが)、生きるよすがをリングの中にだけ求め、そして、多分、ラストはリングで死んだのだ。

聞けばこの映画はミッキー・ロークの復帰作だったさうで、転落しつつあった自分の人生と重ね合わせてこの役を演じた姿は、見事だった。だが、あまりに重い映画&ハマり役だったせいか、これ以降もやはりミッキーは浮かび上がってこない。

2月20日(水)-------

こないだ受けた「特定健診」の結果を聞きに病院へ。

それによると他が極めて健常なのに、コレステロール値だけが異常に高い、といふ。

こは家系に共通する体質のやうで、オフクロもアネキもさうだといふ。今までも何度か指摘されてゐて、まぁ気にはなってゐたのだが、今回医師が云ふには『年齢的に看過できぬほど高い』さうだ。空腹時に計測してこれはやはり「体質」で済ますわけにも行くまい、と。

ので、食事制限を提案され、まぁ何ヶ月か壱年か、くらいのスパンで経過を見ることに・・。しかしセンセイ、ワシの食生活を見てみますか?と・・。はっきり云って、どこに出しても恥ずかしくない食事を摂ってゐる自負はあるぞ。運動も適度にしてゐるし・・・。これ以上、生活のどこをシビアにせよ、と・・・?

まぁ、そんな訳で、朝からだいぶヘコんだ。

2月21日(木)--------

すこし前まで教鞭をとってゐた音楽系専門学校(正確には某専門学校の音楽科)が、今年度いっぱいでクローズとなり、それに応じての「同窓会」が開かれることになった。

4年前にワシは後任をパイグこと木本沢也に託し、退いてはゐたのだが、久々に常勤の先生方に会い、ご無沙汰してをります!と声をかけてもらへ、ここんところ色々凹みがちだったが、すこし元気をもらへた。

先述したやうにコレステロール対策で、あまりなんでも飲み食いはせぬ方が良いのだが、何年ぶりとかに会う生徒がおって、そげな野暮もなからう、と、まぁすこ〜しセーヴしながら楽しんだ。

歴代の生徒たちもそこそこ揃ってをり、思へばこやつらは「母校」を失ってしまふのだな、との思ひも馳せ、自分的にも「ものすごく自分に向いてゐる」職場ではなかった、とは云へ、10年以上勤務した職場の消滅は、やはりやや切ないのであった。

時代は変わり、人も変わる。

みな、健やかであれ。いつかまた。

2月22日(金)神辺ハイダウェイ:富安秀行&シュウ------

歌う行商人ハゲ富安こと富安秀行さんの西日本ツアー。その壱日を軽く手伝う形で共演。しーなさんは別の仕事で断念。ワシのみが参加する。

ひとり車を転がしての田舎道。今年はまだソロのツアーも演目も演っておらず、去年がやたらソロを頑張っただけに、その落差は大きい。また車転がしてのひとり旅もせねばならんな、と思ひながら・・。

おなじみ神辺ハイダウェイも今年初。マスターのTOKUさん、いつまでも若いなぁ・・・、初めて会った30年前とほとんど変わってないやうな気すら・・・。

富安さんとは、しーなさんを交えた「歌声一座」でよく旅回わりしたが、ワシとのデュオでもちらほら演ってゐる。特に数年前、急性心不全で緊急入院した直後の富安さんを、ワシが介護する形で同行した「リハビリー・バンバン」とか、今だに語られてゐる。

けふは久しぶりのデュオ。しーなさん交えた三声でのコーラス、ほどには広がりは出せぬが、デュオ、と割り切れば、そもそもワシには望むところ、のフォーマット。けふも持てる技全て使って的確にサポートした。

最近のワシしか知らぬ人には意外なのだらうが、ワシは本来『ソロの誰かをひとりでサポート』といふフォーマットでこそ実力を発揮できるミュージシャンで、しーシュも元々はそのコンセプトの上に始まったのだった。

昔はさういふ需要もいっぱいあったが、今や乏しく、けふは懐かしい感覚でライヴを楽しめた神辺の夜だった。

しかしま〜、この界隈ではいちばん頻繁に来てゐる所だが、広島市〜神辺はあらためて遠い。車で来て、ライヴ終わって帰る、となるとやはりまぁ家に着くのは3時ごろになる。昨日も遅かったので、珍しく二日続けて夜更かしの53歳。