週変わりのシュウ

月光のあをき影の中で

5月28日(火)

ベース担いで全国を回り始めた頃、旅終えて帰って来た翌日は壱日休みを取ってのんびり過ごしてゐたりした。当時 結構たくさん仕事を抱えてゐたハズなのだが、なんであんな事ができたのだらう?。
それどころか、ツアー帰りスグにレッスンやスタヂヲ仕事に興じる同僚を、『忙しない』と嘲笑ってさえゐたやうに思ふ。

今や 翌日どころか、旅帰りの足でレッスンに入ることも厭わぬ。53歳にしてよぅやく「ちゃんと働く」気概を持つに至ったやうだ。
まぁ、組織から独立したといふ事実も大きい。
全ては自己の責任において稼ぐしかない、といふ現実。それを思ふと『鶏口となるも牛後となるなかれ』といふ諺は、至極もっともだ、といふ気はす。

けふもしっかりとレッスンに従事す。

5月29日(水)

旅の間に届いてゐたり、旅先で頂いた音源などを、まとめて聴く。

レコードの時代 結構な数を持ってゐたが、何故かCD主流になって以降一枚も持ってなかったボブ・マーレィ。レゲエといふジャンルのみならず、R&B、ソウル、ワールド音楽の括りの中ですら、歴史に残る名作であることには間違いない「ボブ・マーレィ&ウェイラーズ・ライヴ!」をCDで聴く。

LPでは7曲しか収録されておらなんだが、このCDでは2枚組全22曲、といふボリゥムで、ほぼ同じラインナップの2日間公演がフルで収録されてゐる。オリジナル盤では短縮されてゐたナンバーも最後まで聴くことができて嬉しい。なるほど、通しで聴くとこんなライヴだったのか、との思ひ。

卓越&安定のパフォーマンスは しかし、かうして聴けば即興要素はそれほどないやうで、ギターソロなどもアドリヴではなく、決まったフレーズを弾いてゐたのだ、と察せられる。ボブの唄も二日間通じて同じやうに歌われてゐた様子。個人的には二日目の演奏(Disc2)が好きだな。

あと、町田で共演したAnnは、音源で聴いてもやはり良い。ならべてしーシュのアルバムも幾つかプレイバックして、これと遜色ないものが演れてゐる事を確かめておく(笑)。

5月30日(木)

出張レッスンin向原2人。
夜は市内でレッスン3人。

今ワシが抱えてゐる生徒はほとんど社会人で、そのせいで急な仕事により欠席となるケースも多い。電話やメールで「申し訳ないス」と連絡が入るたんびに、あぁお気の毒に、と思ふ。
昔 巨大振興会や専門学校で教鞭をとってゐた頃は、生徒の無断欠席など珍しい事でもなかった。こちらも弁えてをり、始業後10分経ってもスタヂヲに現れぬ場合は自動的に「欠席」とし、それが最後の一コマだった場合などさっさと店じまいをしてゐた。

あの頃に比ぶれば、たしかに人数は減りはしたものの、楽器を習う人々の意識は高くなった、と思ふ。よぅは流行に踊らされる人がふるい落とされた、といふ事だ。

いや、他のところは知らんけどね・・。

 

5月31日(金)広島Jugemu 「独弾〜ベース弾き語りsolo」

去年壱年、十日市はふらんす座で隔月偶数月に開催し続けたソロ企画「吟」が終了して以来、半年ぶりの広島市内でのソロ・ライヴ。
会場のJugemuは去年末にFar East loungeでワンマン演ったり、佐藤弘之&五十嵐進のライヴを見に来たりしたが、自身でソロで演るのは、ぢつに2008年12月以来11年ぶり、となる!。ヒェ〜〜〜!。

・・が、ワシって、かういふ事に構えて ナニかを「狙う」と必ず失敗する傾向にあり、けふはもぅホンマになんにも計画せず、準備はただひたすら技術のブラッシュアップだけに留め、ラインナップすら決めずにおく。

お客さんは多くなかったが、ふらんす座の「吟」に来てくれてゐた人がだいたい集まってくれ、珍しく楽曲解説などをしながら演るのも妙にウけたりして、本当にリラックスして演れた。ループの使用を極端に抑えた「弾き語り」としても、たいへん良いライヴができたのだった。
ルーシーママからも「ぜひ定期的に演りなさい」と云ってもらへ、うん・・さうする事にしやう。みなさん、ありがとう。

ワシのライヴにしては大変たいへん珍しい事に、終演後お客さんが店に残り、飲みながら日付が変わるまで語り合ってゐた、といふ。だいたいいつも終演後10分を待たずにだ〜〜〜れも居なくなる事がほとんどなのだが・・・・(笑)。

あと、開演前にルーシーママと音響のタナベさんの3人で、創業60年といふ喫茶店に行った。そこのママさんは御歳なんと97歳!。今も毎日カウンターに立たれてをり、その立ち姿のなんたる美しさよ!。
それを云ふと『だってェ〜毎日毎日楽しいんだもの〜』と一言。あっぱれ!お見事な姿。けふのライヴが上手く行ったのは、あのママさんのご利益なのだ。