週変わりのシュウ

いつものやうに愛の言葉を

8月10日(土)オリエンタルホテル・ニューヨークカフェ

2011年以来、づっと「月イチ営業」として定着してゐたラウンジしーシュ@オリエンタルホテル。
これが遂にけふで最後、と云ふことになった。

『毎日、日替わりで実力派のミュージシャンが生演奏してゐる』といふことをホテルの特色として売り出したい、と思っておられた前支配人の意思を、まぁ今の上層部は受け継げなかった訳である。

ワシとしては、最初しーなさんのサポートとして入り、やがてソロでも入るやうになり、しまいには「しーシュ」として演るやうになり・・・。
8年間、この現場に携わり、逆にバーテンさんやフロアの人が「卒業」して行くのを何度も見てきた。
そして今夜、遂にわれらが「卒業」する。

けふは最後と云ふこともあって、常連Hさんご夫妻だけでなく、友人知人、懐かしい人達、多くの人が駆けつけてくれた。惜しむらくは、けふに限ってほかは割と非常識な騒々しい客が多く、音楽を聴きたい人が集中して楽しめなんだこと。それでも力を抜かず最後まで演り切り、8年間の仕事にピリオドを打った。

色んなことを勉強させてもらった。
しーシュだけでなく、個人のレパートリィも、ここの仕事で格段に増えた。ギターも買った(二本も!)。声が出やうが出まいが、熱があらうがヘルニアだらうが続けねばならぬ「定例の仕事」の重さも改めて受け止めた。そして何より、ワシらの歌を本当に愛してくれるHさんご夫妻に知り合えた。

 

オリエンタルホテル・ニューヨーク・カフェ。8年間のご愛顧に感謝。

さようなら。
ありがとう。

8月11日(日)ベース弾き語り『独弾』:ジュゲム

先週からやり始めた新しいバイトの疲れが重く残りつつの初めての週末となるが、けふはソロ。肉体の疲れより、ここんところ続いてゐる喉の痛みの方が深刻。

古い日記を紐解くと、数年前にやはり喉の痛みを感じ、医者を訪ねた記録がある。夏の時期だ。内視鏡で声帯周辺の撮影をし、「異常なし。喉の荒れ」といはれ、さしたる治療も受けず薬だけもらい、復調もせぬまま痛みをこらえて歌う生活に戻り、なんとなく収束した。
この時行った医者の、鼻持ちならん高飛車な態度に嫌気がさし、二度と行かぬと決めた。そもそも声楽科を擁する音楽大学がありながら、同じ街に「声帯外来」がない、とは・・・とこれ前にも書いたな・・。

けふも会場入りしてリハをしてると咳が止まらん。
ビビってゐても仕方ないので、咳が出ても歌い続ける。開場の時間までづっと声を出してゐると、程なくして落ち着いて来た。こっから2時間半、保ってくれるとありがたい。

さて、定期企画、と謳って始めたものの、なかなか都合が合わず定期にならないソロ企画。今回が2回目。いづれはゲストとかを交えたりもしたいと思ってゐるが、けふもまぁ一人で演る。

今回はちょいと自分の中でチャレンヂがあり、此処のところ凝ってゐる「ループ未使用による弾き語り」を敢行してみる。
昨今ループマシンを使ってパフォームするものを称して「ルーパー」と呼ぶやうになり、ループマシンも進化し、様々な楽器やジャンルでそれを使うものも増えた。正直なところ玉石混合であり、いわゆる「使ってみました」的なものでも、その珍しさも相まって『スゴい!』と云はれる風潮にある。
が・・・。云ふまでもなく、ループマシンとそれに伴うパフォーマンスはもぅ30年以上前から存在してをり、世界を見渡せば珍しくもなんともない。昨今の拡がりは、You tubeといふメディアのなせる技にほかならぬ。

それを30年以上前から使ってるワシからすれば、それがブームになるなんぞ片腹痛い、としか思へぬ。ループはただの「道具」。ワシはルーパーではない。ただの「シンガー・ソングライター」だ。

といふ矜持を胸に、けふはホンマにベースだけの弾き語りを主軸に。

つらつらと演ってみるに、まぁギターとの違いは、と云へば、音が低いことと和声のパターンが少ないこと以外に目立ったところはなく、そこを工夫しさえすれば、電気ベースは充分に弾き語りのウェポンとして活用できる、と再認識。まぁ途中何曲かギターも弾いたし、最後の2曲はループも使ったけど、それ全部が、ごくごく自然なワシのソロとして完遂できたなら、けふは大成功だった。

お客さんもいっぱいで嬉しい。
演奏中、フと会場を見ると、ほとんどのお客さんがぢっと目を閉じて聴き入ってくれてをり、以前ヲルガン座のゴトウイズミが云ってくれた言葉『今さういふライヴができる人ってシュウさんだけだと思ふ』を、さらに得心したのである。

心配だった喉も、最後までトラブルなしで行けた。
良いライヴだった。
近年稀に良いライヴだった。

(いちをう)演目
夜明けの海ごっこ/わるい人生/振り向いたらトゥアタラ/いらっさい/月虹(カワちゃんカヴァー)/きんぎょ/ペンギンカフェで逢いませう/グッバイサマー(佐藤弘之カヴァー:ギター)←前半

シェルブールの雨傘(カヴァー:ギター)/ルカ(スザンヌ・ヴェガ)/凛(ハシケン)/ニットキャップマン(ムーンライダース)/サーカス(ゴトウイズミ)/坂に続く道の途中で/お茶とシーシャとウェハース(ギター)/千年刻みの日時計(ギター)/らのえてぃあ(ループ使用)←後半
此岸之朱(アンコール)

みなさん、ありがとう。

8月12日(月/祝)トコナツ屋10周年記念ライヴパーテー

ライヴのできる鉄板焼き店、として名を馳せる名店「トコナツ屋」が、此度めでたく10周年を迎え、常連さん入り乱れて、のライヴパーテーにしーシュも是非、とお誘いいただいた。
普段我々はプロとして、エントリー・フィーを払って出演する、といふ事は回避してゐるのだが、並々ならぬお世話になってゐるお店の周年をお祝いする意味合いで、特例で参加を決めた。

もちろん、お店に多く投資する意味合いで、けふは飲み食いしまくるぞ!のつもりで、朝から(笑)。
けふのエントリーは18組。出番はくじ引きで決めるさうで、昔ながらのアミダくじに名前を書き、適当に飲んで食ってゐたら『しーシュは二番手!』との声が上がる。ラッキー、早いうちに演ってしまえるぞ。

トップバッターは仕事の都合で、さらさのギタリスト 森川敏行くんがソロで。見事なフィンガー・ソロギターに客席から感嘆の声。うまいなぁ。このテのギタリストって広島にはいなかったな。

えぇ余韻をもらって、二番手そのまましーシュ。激し目のナンバーを中心に3曲ダダっと演って終了。またまた客席から驚愕の声。結局この日はトップ二組でプロが出て、その後はアマチュアの人たちの余興が続いたかんぢとなった。ワシらづっと聴いてゐたが、流石に音と酒に疲れ、夕方にはお暇す。

マスター、ママさん、しおりチャン(娘)、大変喜んでくれ、帰り際に何度もお礼を述べていただく。これからもよろしくお願いします。20周年も是非!(笑)。

ちょいと静かなところでクールダウンしたくなったので、開店してすぐの「ヴァンダンジュ」に寄り、店主 ケンタこと縄手健太とおしゃべりしながらワイン。
よぅ飲み、よぅ食い、よぅ喋り、少し歌った、そんな日であった。

8月13日(火)

ちょいとレコーディングの仕事が入る。

何やらのイメージソング、ださうでさはやかなポップスにフレットレスベースを適宜入れる。ほぼワンテイクで終了。
ヌ〜、週に一回づつでもこのテの仕事が入ればネ〜、と何万回か目かくらいに思った。

けふから世間は盆休み。
女房もウチにゐてのんびりしてゐる。通りも店も空いてゐて過ごしやすい。

ワシは普通にレッスン。
楽器店が盆休みを敢行してをり、勝手に鍵を開けてやる。この仕事に盆の休みはいらん。

8月14日(水)

世間は盆休み中。ワシはバイトに行く。
台風も接近して来てをり、街に人なんぞ居らぬのではないか?と思ひきや、けっこう出てゐる。

昨今 異常な流行を見せてゐる田皮尾化とかいふ蛙の卵のやうな飲料を掲げ飲む醜女がたくさんゐてゲンナリす。
博多に行った折、この田皮尾化屋に行列が出来てゐるのを見た時は、ライヴハウスでもあって、著名なミュージシャンでも来るのか?と思ったものだ。

バイトの後はだぃたぃスタヂヲに寄って(近い)練習して帰るのだが、けふは接近する台風の影響かちらほら雨の気配。夕刻に仕事が終わって、あとは何もナシ、てのはまぁワシ的にはわりと貴重な経験なので、フツーに帰った。

8月15日(木)

台風、さらに接近。なにやら広島を直撃するコースを辿りつつある。
大丈夫かよ?

けふは女房方の実家に盆の帰省をする予定にしてをり、どぅすべきか悩んだが、予定を前倒しにして、台風が来る前に行って帰って来やう、とだいぶ早い時間に広島を出発。
盆休み&台風のせいか、道路が異常に空いてをり、すぃすぃ走る。過去最速で東広島市安芸津に着き、義母上殿 義妹弟たちに会い、会食。その間もTVで台風情報をチェックし、本格的に本州上陸、の前に退散す。

去年だったか、しーシュのツアー中 岐阜県は犬山で台風の直撃に遭った。その時もライヴの時間を前倒しにして、午前中からスタートし、14時にはお客さん全員(この時間でも沢山のお客さんが来てくれた)の無事帰宅を確認し、ワシらは安心して台風の中の打ち上げをしたのであった。

けふも本格的広島上陸、の前には自宅にゐて、平穏に過ごす。なんか興が乗ったのか、久しぶりに音楽を聴きまくった壱日となった。

8月16日(金)いきなりステージ:ジュゲム

けふは忙しい。
バイト→練習→レッスン→いきなりステージ、といふ流れ。

今年に入って仕事が激減し、それに甘んじて惚けてゐた身体のシステムを立て直す、といふ意味で、この忙しさはよろしい、と思ふ。
慣れぬ仕事をやってる分、なかなか頭がパニックだが、それもまた良し。

けふの「いきなりステージ」は結構たくさんの参加者あり。
ジュゲムは直前までライヴが入ってたさうで、そのメンバーがまだ残ってゐた。若い人たちだったが、なんかそれぞれワシを見知ってゐるらしく、ん〜〜〜・・・と思ふ。

けふもよぅ弾き、よぅ歌った。
ぢつは、このセッションの面子、モンゴル松尾石井聡至、ワシ、に歌の熊本かおりチャンを加えて The Solty Bear’s といふバンドを発足させてをり、それの初ライヴが今月の28日にある。・・が、ワシはその直前まで旅に出てをり、帰ってくるのは前日の夜中。リハはけふが最後、となる。ほへぇ〜!大丈夫か?ワシ!。

 

けふは レッスン後、いきなりステージまで時間があったので、一旦帰宅して晩飯を食ってから出直した。一旦帰宅するまでは、「まァ車で行きゃいいか」みたいに考へてゐたが、台風一過でだいぶ風が気持ち良いので、なんかそんな気分になり、またチャリで行ったのだった。

片道 約5Kmチョイだから往復10Km。それを二往復。けふだけで20kmチャリを漕いだ事になる。
チャリの日であった。