週変わりのシュウ

かくも長き滞在

9月6日(金)鳥取 パーラー株湯「えばこfes 前夜祭」

しーシュが長きにわたりオファーを頂き、また長きにわたって都合が合わず参加できなんだ鳥取のイベント「えばこフェス」に今年よぅやく参加できる。
のの、前夜祭、として同じく鳥取の温泉郷「株湯」の喫茶店にて前夜祭的なライヴを、といふのがけふ。

出演は奈良のバンジョー奏者 吉崎ひろしアニキを中心とする「音もダチ」系旅音楽家のネットワーク。けふはその中から富安秀行タフィ水谷松井正樹前田宏樹、にワシらしーシュ。OAに地元のピヤニストSHIN。の顔ぶれ。
みんな久しぶりの顔をあわせる旅仲間だ。

「級長」ひろし兄さんの采配でチャッチャと進行してゆくも小気味よく、またちぃさな温泉郷に少なからぬファンが駆けつけ、意外と言ってはナンだが、意外なほどきちっとしたライヴとなった。「けふはコラボを多めに」といふひろし兄さんのアイディアも活かされ、また演奏巧者は云ふまでもない面子なので、それは良いライヴとなった。

ウチらの出来もなかなか。なんか最近あんまり「しーシュ」として活動もリハもしてないやうな気がするが、それがデメリットになるでもなく、良い緊張感を持って駆け抜けることができた。

打ち上げ&宿泊はカフェ「えばこGOHAN」にて。
大阪は摂津富田にあった名店KUSHITAROが鳥取に移転したのがここ。聞けば日本一移住者が多く、またその評価が高いと云はれるのが鳥取なのださう。我らしーシュは、その摂津富田のKUSHITAROフェスに参加した2016年以来のマスター&ママさんとの再会。

久々に会う旅仲間との酒宴も楽しく、本番は明日だといふのに、お喋りのやまぬ面々。

9月7日(土)鳥取 小山池ベース「えばこfes2019」

その「えばこフェス」本祭。
小山池ベース、といふ野球場が作れさうな湖畔の広場を使っての野外コンサートだ。地元では大々的に広報され、ケーブルTVの取材もある。

この時期の野外フェスにて天候を懸念してゐたが、「ここまで晴れんでも」といふやうな晴天。夏の盛りを過ぎた空気はキリリと冴え渡ってをり、むしろ真夏よりも紫外線がキツい。
水分補給と休憩、あと経験上から肉類の摂取、を心がけながら参加を楽しむ。

日中は地元のアマチュアの皆さん。レヴェルはさほど高くはないが、ちゃんと音楽を身近に置き 継続しておられる姿に心より拍手。暑い中の熱演、お疲れ様でした。

本祭の出演者は昨日の7人に、Kasa slim芳賀まさひろわたなべゆう、の3名を加えて。ウチらは日が沈む頃、暗くなるかならんか・・・ぐらいの時間帯でひと枠を頂いた。初めての場所なので王道ナンバーで行くテもあったが、けふはこの面子を生かしたコラボを中心に。前田宏樹のマンドリンで「わたしはモナカ」、タフィ水谷のヴァイヲリンで「あじさい」、そして吉崎ひろしのバンジョーで「Dance」と、それぞれ彩りを加えお届けし、逆にデュオ以上の手応えをもらって嬉しい限り。

大ラスの大セッション大会も楽しい。
日差し遮るもののない会場は容赦ない猛暑に見舞われたが、お客さんにも出演者にも事故なく、最後まで良いイベントを完遂できた。
本当に素晴らしいイベントだった。参加できたことを光栄に思ふ。

けふも宿はえばこGOHAN。昨日より人数も増え、お客さんも数名駆けつけた店内は、昨日に輪をかけて楽しく、酒も料理もどんどん進む。一人倒れまた一人倒れ・・と減ってゆき、最後にはワシと松井さん、水谷さんの3人(同部屋)が残り、なんやしらん特撮やら怪獣やらアニメやらの話で静かに盛り上がってゐた、といふ・・・。

9月8日(日)

鳥取から帰る。

行った時も思ったが、同じ中国五県とは云ふものの広島〜鳥取間の、なんと遠きことよ!。ウチのツアー車「ぐっち(軽バン)」では、どーやっても6時間近くかかる行程にはホンマに慄いた。新幹線で東京に行くほうが早い!。

さういや遥か太古、演歌の仕事で鳥取に行った時も、日が昇る前に事務所に集合して大型バスにバンド全員乗り込み、行って1リサイタル演ってまた帰ってきたら夜中の3時だった、て事もあったな、と。

でも、いい土地だったよ鳥取。

移住者が多い、てのもうなづける気がする。

9月9日(月)

レッスン多めの壱日。

明後日からまた旅なので、その支度もしながら。

9月10日(火)

日中はバイト。

夜は夜行バスにて東京へ。
こないだも東京にゐたな、と思ひ苦笑しながらバスに乗る。

夜行バスは毎度なかなか過酷な旅となるが、今回も車体が古い上に、前の席に美人だが巨大なアラブ系の女性が陣取り、これが最大までリクライニングを倒しやがり、窮屈この上なく。
さらにこの女、消灯時間過ぎてもカーテンを開けたままにしてやがり(普通は消灯とともにカーテンを閉じねばならぬ)、高速道路の灯りがチカチカと眩しい。注意したいが言葉が通じんので、仕方なく空いてゐる席に移動して寝やうとしたのだが、この女、何を思ったかまたワシの前の席に移動しくさり、またリクライニングしやがる。流石に軽く蹴ってやった。

国際紛争に発展せぬことを祈る。

9月11日(水)東京 中野ピグノウズ:独弾withくどうげんた、瑞穂

眠い東京の朝。
まぁ夜行バスの旅で寝不足は想定内。さはやかに松屋で朝食セットを食し、吉祥寺の定宿、久保田涼子宅まで行く。

11月にやはり東京で涼子主催のイベントに出る事になってをり、けふの日中はそれの最初のリハをしてゐる、といふので、チョイと顔を出す。涼子のやうな女性とウマが合い、一緒にイベントを作ろうとする人たちなので当然っちゃ当然、みなオープンで親しみやすい人ばかり。
しばし楽しく見学し、ワシはワシで一人中野へ向かう。

中野ピグノウズは、前回のしーシュ東京ツアーで初見参し、11月にも演る事になってゐる。その前にまぁワシが一人ふらりと訪れるもよし、でけふ。永き朋友、パーカスのくどうげんたにサポートをお願いし、ヴィヲロン弾きである瑞穂ママにも数曲で参加してもらふ事に。

お客さんは多くはなかったが、前回のしーシュを見た常連さんがまた来てくれたり、横浜から友人が駆けつけてくれたり、とライヴのてぃには成すかんぢで。ソロの演目では、例によって何も決めずに思ひつくままを。後で友人が「なんかいつまでも演りさうなかんぢだった」と云ふほどにユルいかんぢだった。リチャード・シンクレアに近付けつつあるのかな?。

緊張もせず気負いもせず、いいライヴができた。

一人でももっとお客さん呼べるやうにならんとイカンなぁ、と思ふが、まぁこればっかりは・・・。

ワシとて努力をしてない訳ではない。

9月12日(木)

ホンマに久っっさしぶりの東京オフ。

けふ壱日 まったく予定なし。最近ホンマに東京にゐる間はライヴを詰め込みあげてゐたので、かういふ日は珍しい。

りょ〜こがレンタカーを借りて来てお台場まで連れてってくれた。
初めて行ったのだが、こげな場所であったか。名前だけは昔から聞いてゐて、なにやらすごいオサレでハイソな場所、と思ってゐたのだが・・・。

夜は、初夏のツアーでラウンジ的投げ銭ライヴを演らせて頂いた吉祥寺のカフェ「ブルゥムーン」に挨拶も兼ねて晩飯へ。

見事に「東京的休日」を満喫した壱日であった。
りょ〜こに感謝。彼女が連れ出してくれなければ、多分壱日中 ごろごろ寝てただけのハズなので・・・。

9月13日(金)じぶこんHSバンド・リハ

さて、けふからじぶこんHSバンドのベース弾き、となる。

八王子の禅東院といふところで、この週末行われる「マキコランド10周年イベント」にゲストとしてじぶこんが出るのだ。
ので、まづは電車で八王子へ。

中央線で一本、とは云へ八王子は遠く、一時期よく来てゐた日野より先になる。風景が変わり、まぁ川があることもあって、なんか広島の風景に似て来てえぇかんぢ。八王子駅からは、事前に調べたのと駅の広域地図を参照に、歩いて禅東院を探す。あっさり見つかって拍子抜け。歩きやすい街のやうだ。

今回のイベントはライヴといふよりはイベントで、バンドメンバーだけでなく、各種の出店者や運営スタッフなど三々五々集まって来て、あっといふ間に賑やかに。けふのところはリハのみ、といふ事なので、機材をセッティングし、サウンドチェック〜初めて演る曲のおさらい〜アレンジの変更、などを確認したら終了。
全員でスーパー銭湯に行き、宿泊先であるマキコランド(珈琲焙煎専門店)にて「前打ち上げ」として宴会。

9月14日(土)八王子禅東院マキコランド10周年 じぶこんHSバンド

んで、その本番。

マキコランド頭首 榎本真喜子さんは、アイヌ民族の血を引くアーティスト。じぶこんとの絆は深く、HSバンド発足の瞬間からその場に立ち会ってゐる、と云っても過言ではなく、自分とこの店が10周年、とならば是非HSバンドに演奏してほしい、との思ひでけふに至った訳だ。

地元だけでなく、その活動の足跡から広く愛されるマキコさん。その証のやうに会場には早くからいっぱい人が詰めかけ、禅東院は超満員。

他のHSバンドのメンバーほどにはこの界隈に関わってないワシは、まぁ「やや浮いた存在」として所在無さを楽しむ例のかんぢ(笑)。スタッフの人にまで『誰ですか?』と云はれたりする。

イベントの開始が10時からで、HSバンドの出番は19時から、といふ「超待機型」のイベント。ライヴが始まる頃には会場のテンションも膨れ上がってをり、メンバーがステージに登場しただけで大きな拍手。
4月にレコ発の2デイズを演って以来のフルメンバーHSバンド。こちらのテンションも既にマックスで、のっけから飛ばしまくるメンバー。

なんせメンバー全員「個人商品」なので、メンバー紹介の時なんぞ「いかに前の人よりウケるか」に余念無く(笑)、けふのはまたスゴかったねぇ。ワシはベース弾かずに踊ったりした。詳しい内容は見た人のみ知る・・・か?。

いやはや素晴らしいライヴだった。
素晴らし過ぎて、なんつーか、久々にホンマに放心するぐらい疲れた。撤収が進むステージ脇で座り込み、鍵盤の夏秋文彦さんと『なんかえらい疲れましたね』『疲れたよねぇ、なんでだらう?』と語る。ホンマに精根尽き果てた、感のあるライヴだった。

これほどのイベントを成し遂げたマキコさんと、彼女に協力する仲間達の信頼関係に敬意を表するしかない。時に衝突しながらも、良きものを作り上げてゆかんとする人々の姿に、拍手を送る。

ワシは明日早く広島へ帰らねばならぬので、打ち上げの途中で一人先に寝床へ引き揚げさせていただいた。スゴい壱日だった。

9月15日(日)広島安芸高田市 香六ダム湖畔 野外コンサート2019

広島に帰り次第の県北ライヴ、となったのはまぁスケヂュール管理の甘さだが、やったら出来ると思ってのこと、としませう。

8時には八王子を出発し、予定通りのルートで新横浜に出、10時の新幹線で広島を目指す。14時には広島駅に着き、そこにはしーなさんが迎えに来てくれてをり、その足で安芸高田に出発するのだ。湖畔コンサートの開始時間ごろ会場入りできる。完璧だ。

その通りに進み、天候に恵まれた香六ダムに到着。同時刻くらいに我らのファンも続々会場に到着してゐた模様。まぁ無事到着に安堵して、さっそく秋風に吹かれながらのビールが美味い。

昨年に続き2度目の出場となる湖畔コンサート。
この手の郊外型手作りイベントにありがちな「ヒッピー要素」が皆無な、見事にファミリアスな野外フェス。子供らが売り子をする菓子屋や、その母親達の手作り郷土料理、近所のおっちゃんが今朝シメて来た、といふ猪肉のバーベQ・・・そして神楽芸能盛んなこの地に住む人たちの、レヴェルの高いステージ。
昨日のマキコランド10周年とは真逆のテイストで、これもまた素晴らしいフェスの姿があったのだ。

ワシらの出番は夕暮れ時。
ちょーど日が沈む頃の山をバックに、いつものしーシュを演る。会場を歩いてゐるだけで、あちこちから声がかかるなど、まるで地元出身かのやうに温かく迎えてくれる皆さん。当然ながらライヴもよぅ盛り上がり、イベントなのにアンコールもかかる。嬉しい。

ここの人たちの期待と友愛にふさわしいモノになれるのであらば、その努力を惜しんではならぬ、と強く思った。

度々書くやうに、アマチュアながら出演者のレヴェルが非常に高く、自分らの出番の後にこれほど演奏を楽しめるイベントもあんまりない。けふもギリギリまで会場にゐて、後続の出演者のパフォーマンスを楽しんだ。

23時ごろ、ついに電池が切れ、宿に引き上げる。宿でシメの一杯を軽く・・・と思ってゐたら、ビールの自販機には無情にも『故障中』の張り紙が!。