週変わりのシュウ
4月1日〜10日
世界樹に雨やどり
日々のこもごも
4月1日(水)
4月末のしーシュのツアーをどぅすべきか?を悩んでゐたところ、やはり先方からも「中止にしませんか?」といふ提案。たしかに今回はもはやそれしか手はないやうに思へてきた。ここで「やるぞ!」と押し通す事はたやすいが、それが何を引き起こすか、を考へると、そのリスクを背負うには、ことがあまりに重すぎる。
もはやこれまで、か・・・。
エイプリル・フールだからか、アヴェからマスクのプレゼントがある、といふ洒落が発表された。現政府にしては気の利いたジョークだ。
4月2日(木)
ツアーの縮小、を本格的に検討。
打ちひしがれる気持ちも、バイトの激忙にはなんの関係もなく、けふも激忙。世界のどこに「自粛」があるのか?とも思ふ。この日本の呑気さ、といふか、危機感のNASAを、例えばNY在住の某日本人、が、声高に警鐘を鳴らす図式が定番となりつつある。
もぅ何が何やら、といふかんぢ。
アホな話題で笑い合う日々が恋しい。
4月3日(金)
しーシュ緊急会議。いよいよ春ツアーの本格的な見直しを。それぞれの立場、ツアーの意味、活動の意義、今後の可能性、様々な角度で鑑み、検討し抜き、やはり今回はツアー全行程を一旦白紙に戻すのが最善ではないか、といふ結論に至った。
うむ。さうなのだらう。
しーシュが活動を始めて以来、自分達からステージを降りたことは一度もなかったが、こたび初めて、それをする。無念である。この上なく無念である・・・が、どう考へてもこれがまっとうな決定だとも思ふ。
『カッコいいユニットでありたい』といふところで、二人の意見は一致する。ここで無理に敢行することは決してカッコよくない。カッコよく「自粛」することこそが、むしろ我らの誇りに繋がるだらう、と・・・。
断腸の思ひ、とはこのことか、と思ふやうな・・・。
4月4日(土)
ツアーを断念する旨を、各地のオーナーに連絡し、広報に打つ。悔しい。だが、これが正解なのだ。どの店のオーナーも同じ思ひで、それぞれ納得してくれるのが、余計に切ない。本当は今すぐにでも各地の店に駆けつけ、さんざ飲み食いし、語り合って大笑いしたい。
許したまえ、友よ。
しかしまぁ本当に、そこに考へが至ると、ホンマに情けなくて虚しくて仕方ないのだが、厄介なものを持ち込み、またそれを放散してくれたものよ、と思ふ。大きな利権が絡むとロクなことにならない、といふ教訓が、後の世に残れば良い。
4月5日(日)
この際なので引きこもる。
楽器の練習をし、曲を作り、アレンジをし、歌詞を書く。んで、残った時間で映画を見て、本を読み、料理をす。普段かういふ日なら、アレでも夕方チョイと散歩に出たりするもんだが、けふはそれもなし。本当に家から一歩も出ず。
流石に世情を反映してか、近隣が静かである。
4月6日(月)
来週に予定してゐるソロのライヴが、このままではおそらく「意図せぬ無観客ライヴ」となる可能性が高いので、ハナからこれを「配信ライヴ」にせんと画策。今まで頑なに・・・て訳でもないんだが、やって来なんだそのテの事を学習す。
You Tubeにチャンネルを作り、自分が撮ったりした動画を上げれるやうにいろいろ。割と簡単に登録でき、早速ひとつふたつ「アップ」してみる。
あとは今流行りの「リアルタイムで配信」といふやつだが、どーすれば良いのか?をSNSで発信したところ、各方面から助言が届き、ありがたい。その中で、まぁこのウェブサイトを作ってくれた張本人であるところの久保田涼子から、「手伝うよ」と打診があり、そは心強い!と。
さー梶山シュウ、人生初のライヴ配信なるや如何に?!。
4月7日(火)
今さらながら、いわゆる「ビザール楽器」のやうなモノが欲しくなって来てゐる。
・・と云ふのも、ジャマラディーン・タクマが、何やらアーチトップのレトロなタイプのベースを使って、しかし音楽は相変わらずの奇妙にファンキーなのを演ってるのを見たからだ。
まぁこの人は背が高くてスタイリッシュだから、このテの楽器を持ってもサマになるのであって、ワシではかうは行かんのはよく知ってゐる。が、そもそもフルアコのギターとかが好きなワシ、こんな風に使えるなら、今はこのテの楽器が一本欲しい。
ぢつはそろそろフレットレスにこだわらなくても良いかな、と云ふ気がして来てないでもないのだ。25年 弾いてきてこの楽器の素晴らしさも可能性もよく分かった。ここらで、鞍替えするのも一つの生き方ではないか?と・・。
4月8日(水)
バイト先ではもとより手洗い、消毒&マスク着用が当たり前(飲食業)だが、レッスンでもそれをせんとす。アルコール消毒スプレィを持参し、レッスン前の生徒に手に噴霧してもらひ、レッスン中も双方マスク着用で。
まー、こうなりゃこの不便とやるせなさを、様々な角度で楽しむしかないよ。ポジティヴに笑うことが、何より免疫力の向上につながる、とも云ふし・・・。
負けんぞ。
4月9日(木)
最近ワシのベース教室に入会した生徒が、初めて楽器を購入す、といふので付き合って楽器店へ。前にギターを買う生徒にも付き合ったが、けふはベース。ギターん時と同じく、店員がおかしげなものを薦めやがったらドヤしてやらう、と思ってゐたが、まぁそれはなかった。
そこそこ良い楽器と、「初心者セット」といふの(アンプ、シールド、スタンド、チューナー、クロス、などまで付いたおトクなセットらしい)を購入し、荷物を両手に抱えて教室まで帰る姿が微笑ましい。あーワシもあんなだったのだらうな・・。
『先生はいつから楽器やってるんですか?』と問ふので、その辺の話もする。昔語りジジィにならぬやうに、初めて買ってもらったベースの話や、アンプは今よりもっと巨大で重く効率が悪かった、んでそれをチャリの荷台に積んでヨロヨロしながら帰ったこと、など・・・。
これからの君に、良き音楽人生があらんことを。
4月10日(金)
しーなさんの1年ぶりのソロ・ライヴ「蠱惑の入り口」を見に行く。
んが、「ライヴを見に行った」と云ふだけでこのごろは迫害されるさうなので、「応援に行った」としやうかね。けふのライヴはネット配信された様子だが、それも観客が入ってゐる、のが分かると店的にはややよろしくないらしく、まーぁナンともおかしげな世の中になってしまったものよ、と。
ライヴの実現にあたり、しーなさんらしく強力なサポーターは後を引かず、音響、配信、手伝いの名乗りをあげる人多数。さすがの人望、人脈。
なんでも『100平米かそこらを完璧に除菌できるスーパーウルトラ空気清浄機』まで提供してくれた方もをり、「けふの会場は逆に広島で一番クリーンです」と云ふMCも楽しい。
ライヴの方も練った選曲で、シャンソンやクラシックのカヴァーからオリジナルまで、相変わらずバラエティに富んだラインナップ。この時勢に相方がソロを成し遂げてゐる、といふことも重なり、いくつかの曲では胸にグと来るものがあった。最近涙もろくていかん。
とても良いライヴだった。
コロナ騒動はさらなる混乱の方向に向かおうとしてゐる。まるで、我らから全ての享楽を奪い去らうとしてゐるかのやうに・・・。
やってみろ。
ワシらは諦めない。