週変わりのシュウ

誰かが幸せになり、誰かが泣きを見る、それが人生さ

黄金週間へ

4月25日(土)しーなとシュウfacebook 生配信ライヴ

かねてより準備してきた生配信ライヴの日。
早めにスタヂヲに入り、準備やチェックを綿密に重ねる。たれもが簡単にライヴなどを配信できる時代になったからこそ、「本気のほど」を見せねばならない。

そして19時、配信がスタート。
今回は特に、本来ならばこの週末に巡ってゐたはずの関西・・・、心斎橋、関目、岡山、津山、三原、の会えなかった人々に、挨拶を兼ねた贈り物、のつもりで。

「30分程度の」
と宣言してゐたが、終わってみると45分間結構がっつり演ってゐた。配信始めから続々とコメントも入り、多くの人が今、画面のワシらを見てゐるのだな、といふ思ひは、なるほどTVで活躍して来た人はこんなかんぢなのか、と納得。

貴重な経験でもあり、またおおぃに手応えも感じ、我らが結成15年以上の中で地道に各地を回って来たことの成果を、しっかりと感ずることができた配信であった。

隣室で配信を見てゐた(笑)友人からも称賛の声。

「よくやった」と褒めても頂き、しかしやはりこれからまだ続いて行くであらう音楽家の受難の日々に、新たな気分で身を引き締めたしーシュなのであった。

みなさん、ありがとう。

 

4月26日(日)

日付を超え、昨日のライヴ配信の再生回数が3000に迫ってゐる。
本当にありがたいことだ。

自らを賢しらに分析する訳ではないが、しーシュといふものの実像が明らかにされてくる感はある。すなはち、どのやうな形式でライヴを公開しても 納得していただける実力と楽曲のクゥオリティ。それに尽きる。

思想や啓示を発するでもなく、また観客を巻き込むパフォーマンスをするでもなく、ただ吟味して作った楽曲を、それぞれ磨いた技術でお送りするだけ・・・、云はば我らは大変「不器用な」デュオである。不器用ゆえに、これしかできぬ故に、そのものこそ堅実たれ、と思ふそれが、このやうに評価されることは、本当に嬉しい。

重ね、重ねて、ありがとう、みなさん。

4月27日(月)

こないだから、いわゆる「古典」の小説を読んでゐる。

まづはフランツ・カフカの「変身」。こは、今までに何度も読んでゐるが、思へばちゃんと記憶してゐる部分と、回って聞こえてくる他者の評価と、ごっちゃになってゐる感があり、確認のためにも。

いつ以来の再読かわからんが、読み返してみるに、まーぁ主人公であるところのグレゴール・ザムザなる人物の哀れなことよ。年老いた父母と愛する妹のために身を粉にして働いてゐたところ、ある日急に「虫」と化してしまい、その家族に見放され、見捨てられ、しかし本人は最後まで家族への愛を深く感じながら、ひとり静かに死んで行くザムザ。

人ごとに思へぬ。

ところで、このザムザが不条理にも「変身」してしまふ「虫」だが、ワシは昔からなんとなく『巨大な芋虫』を連想してゐた。だが、読み返してみると、どーやら「甲虫」の類のやうだ。ふ〜ん・・・。

4月28日(火)

古典読書シリーズ其の弐。は森鴎外の「ヰタ・セクスアリス」。

ヰタ・セクスアリス、とは「性欲生活」との事で、さぞやイヤらしい内容かと思ふ向きもあらうが、さうでもない。少年の日の様々な「性への目覚め」といふか、まぁそんなかんぢの手記。
これを「性欲生活」といふならば、昨今のお子様たちはまさに「性欲の餓鬼」と云へるのではないか?。それほど他愛ない幼いドキドキが書き連ねてある。

驚いたのが、時代的に「衆道(男色)」が公然と繰り広げられることで、幼くて可愛らしい少年をめぐり、年かさの男たちが平然と男色を嗜好する描写はショッキング。よーするに女性への禁欲は、かういふ形で互換されるのか!?。
もともと日本には「衆道は外道に在らず」といふ考もあったやうで、そは、古代の名将の多くが色小姓を囲ってゐた事でも明らか。

眉目秀麗であった少年が、匕首を懐に忍ばせて寮生活せざるを得なんだ時代背景に、むしろ相当な歪みを感ずる。

ひゃ〜〜〜〜、この時代に生まれなんで良かった。

4月29日(水/祝)

本来しーシュで岡山はMOGLAでライヴするはずだった日程に、MOGLAのマスター、福武サンジさんから依頼されてゐた『俺の曲をカヴァーしてくれ』といふミッションを完成させるべく、スタヂヲに入る。

こは、サンジさんの古希を記念するトリビュート企画で、MOGLAに所縁のあるミュージシャンがそれぞれサンジさんの楽曲をカヴァーして録音し、それをアルバムにす、といふもの。選ばれて光栄。

しーシュにサンジさんから「これを」と 送られて来たオリジナルは、ウェストコースト系〜ハードフォーク調の軽快な8ビート。アレンジも編曲も自由に、とのことで、どうせ演るならばしーシュにしか出来ぬことを。二人で喧々囂々やりながらアレンジを進め、思ひつくままに音を重ねて行く。

展開するラテン系ビートとアフリカン・ビートに奇数拍子リズムを組み合わせた、まさに「しーシュにしかできない」であらう、そして「しーシュにもライヴではできない」楽曲に仕上がった!(笑)。

「阿呆かこの二人は!?」とサンジさんに思って頂けたら、そは成功だ。

4月30日(木)

天気の良い日が続いてゐる。けふなどやや暑い。
雨でも降れば良いのに、と思はぬでもない。梶山シュウ

たしか初めて就職した年のこの時期だったか、黄金週間の半分が雨だったことがある。行きたくない仕事からひととき解放され、さりとて予定もなく、家に篭って、あんときはひたすら漫画「迷走王ボーダー」を読み耽ってゐた。

したくない就職をして、オモロない仕事が始まったばかりではあったが、この漫画に描かれるボーダー(常識と非常識の境界線に活くる異端児)達の暮らしに憧れたものだった。
そぅ遠くない未来、自分らが輝かしくメヂャーデヴーを飾るもの、と信じて、しかしなにもアクションを起こさなんだ若き日のワシらよ。

お前たちを悼む。