週変わりのシュウ

いつか本当にまた会える日まで

10月31日(土)ーーーーーーーーー

よく晴れ。

もと弟子のパイグこと木元沢也がメンバーの、Very rollといふバンドが久々にライヴをす、しかも野外で、といふのを見に行く。広島球場跡地で行われてゐるイベントのゲストのやうで・・。

入り口では何やら物々しい検査が行われ、まぁ検温は今時分当然と思ふが、スマホにコロナ感染拡大なんぢゃらのなにやらを登録せんと入場できぬ、とか云ふ。「このイベントの目的がこのアプリの拡散、といふことなので」と曰われるが、スマホを持たぬものにイベントを楽しむ権利がない、とでも?と主張すると、スマホを持たぬものがまだこの世にゐるのか?のやうな顔をされ、係員に連れられ、別の手続きを受け、入場と相成った。

しばらく中をブラついてみたが、なんかイマイチ趣旨のわからんイベント。やたらとヒーリングだのパワーストーンだのが目立つので「そっち系」かと思ひきや、コスプレの撮影会などもあったりして、そもそもハロウィンとの区別がついておらぬかんぢで、何人か友人を見かけたが、彼らも同様な意見。

まぁいいや、とビールを買って飲んでると、メインステージでパイグらのライヴが始まった。このvery rollといふバンド。ワシが教鞭をとってゐた専門学校の在校生を中心に組まれてゐて、ツアーとかも行ってゐたと思ふ。4〜5人メンバーがゐたやうに記憶してゐるが、現行はピヤノ&歌とベース、パーカスのトリオ。これが3人とも歌い、コーラスも綺麗で楽曲も良くできてをり、なかなか聴かせる。良いではないか。

40分くらいのステージだったが、このテのに珍しく、最後まで全く飽きることなく聴けた。終演後、本人らにその旨伝え、ぜひコンスタントに活動すれば良い、のやうなことを言って帰った。

11月1日(日)ーーーーーーーーー

よく晴れ。

車を出し、おなじみ黒瀬町はリペアショップ「串小屋」まで。
こないだ突然音が出なくなった「カラス」の修理と、実験的に預かってゐるダブル・ネックの調整、など。店主オクボさん、フレットレスのギターを作ってくれてをり、持って帰れ、と・・・(笑)。

さういや昔、ベーシストの渡辺等さんが、フレットレスギターのソロライヴを演ってたなぁ。ワシもこれ一本でライヴできるやうになるんかねぇ?。

11月2日(月)ーーーーーーーーー

雨。バイトにはバスで行く。けふもそこそこ忙しかった。

けふはバイト〜レッスン〜リハ、と予定が入ってゐて慌ただしい。晴れてゐればチャリで楽勝だのだが、けふの雨は止みさうにない。ので、悩んだ末、バイト後一旦帰宅し、夕刻に車でレッスンへ。そのままリハにも車で行くことに。

明日、3年ぶりに甲奴郡のガソリンスタンドでのライヴを行うのだが、なんでも今夜あたりから寒気団がやって来て、明日は激しく冷え込む、とか・・・ぬ〜〜〜。

11月3日(火/祝)ガソリンスタンドから愛を込めてーーーーーー

雨上がり、よく晴れ。当然、寒い。

けふのライヴは2017年以来の、なんと「現役ガソリンスタンド」でのライヴだ。あん時はおぉいに盛り上がったものだった。今年はコロナ下にあって、まぁこれ以上の換気はないだらう、とのことで、強引に開催、といふことになった(笑)。

会場である甲奴郡小川モータースは、それでなくとも県北の高地にあり、夏でも気温が低い。予報通りだいぶ気温が下がってきたけふ、万全の防寒対策とともに広島を出発す。ツアー車「ぐっち」久々の活躍。

秋もだいぶ進み、日が短くなった昨今。会場に着いた頃にはもぅ真っ暗となってをり、ガソリンスタンドの灯りだけが煌々と闇に浮かぶ。この気温では、お客さんも多分1時間が限度だらう、と踏み、店の営業終了を待って素早くセッティング。前回同様、ホンマにGSの、車にガソリンを注ぐ、あの場所、を舞台にライヴ会場を作り上げた。

OAにこの地のしーなさんの生徒であるアイ&ミドリ(今年から『らぶ・クローバー』といふユニット名に)が不慣れながらナゴんだ空気を作ってくれ、ワシらはタンタンタンッッと明るめのナンバーを中心に40分くらい。

喉の調子はここんところで一番良かったが、なんせ寒くて、指が悴んでベースが弾けやせんのが参った。聞けばしーなさんも同じだったさうで、指をメいっぱい広げてもピヤノのオクターヴに届かんかった、とか(笑)。最後の2曲ぐらいでよぅやく体が温もった、といふかんぢだった。

しかしお客さんは、寒い中最後まで楽しんでいただき、よぅお付き合いくださった。流石に前回ほどの集客は見込めんかったが、またこの場所でライヴができた、といふのが単純に嬉しい。現地の人総出で撤収も手伝っていただき、また演りませう!と強く誓い合って、我らは県北を後にした。

良い仕事だった。

11月4日(水)ーーーーーーーーー

晴れ。寒い。

バイトなし。レッスンのみ。
このレッスン会場(スタジオ)が、まぁ古いふるい建物で、暖房設備はもぅ遥か太古に壊れ、またこれが総コンクリ造りゆえに、日が落ちると急激に寒さが増す。これまでにも何度もここで風邪をひいたものだったが、けふはその傾向が顕著で、生徒となんの気なしに話してゐたところ、気付いたら急速に室温が低下してをり、また最近ちょいと自律神経がイカれ気味のワシ、ものすごい悪寒に襲われてしまった。

歯の根も合わぬほどガチガチと震えるワシを見て、生徒も「それ、熱が出たんぢゃないスカ?」と云ふ。さうかもしれん、と、とりあへずしーなさんに連絡を取り、ぱんぱかリハの前に玄関(ぱんリハはしーなさん家のスタヂヲを使う)で熱を計らせてもらひ、もし体温が高ければリハを離脱して帰ろう、と思った。

して、しーなさんの所までたどり着き、震えながら検温してみると、これが36.3℃。

メチャ平熱やんけ。

11月5日(木)ーーーーーーーーー

晴れ。寒さ緩む。

オリエンタル・ホテルでのラウンヂ演奏の頃から、長らく我らの歌を愛してくださり、何度も食事や酒宴に招待していただき、ラウンヂのなくなったここ数年は、定例会の薬研堀夜市にも足を運んで下さってゐた、我らのファンにして友人である、Hさんが亡くなられた、といふ知らせが入る。

しばらく前から大病を患ってをられ、気にはかけてゐたのだが、なにせこの時勢、お見舞いに行くわけにもいかず、ビデヲレターでも送るかね?と思ってゐたりもしたのだが、先日のワシの誕生日の二日後に 亡くなられたらしい。

病室ではづっとワシらの歌を聴き、「最後にもぅ一度あの二人と旨い酒を飲みたかった」と云ひ残して旅立たれたさうだ。

大切な友人をまたひとり、我らは送り出すのだ。心からご冥福をお祈りします。
これはいづれワシらも往く道。どうか、待ってゐてください。きっとまたお会いできますやうに。

11月6日(金)ーーーーーーーーー

くもり。

生も死も乗り越えて、我らがなすべきことは、音楽である。

Hさんにも捧げる気持ちで、このソロ作品を完成させやう。しーなさんのソロ作「シエスタ」をワシが手伝ったやうに、このワシのソロも、しーなさんに手伝ってもらふ。
「しーなとシュウ」としてではなく、それぞれ実力を持った音楽家同士として、サポートし合う我ら。

すでに録ってゐた7曲に手を入れ、さらに1曲、昨日作った新曲(ん〜〜、曲、ていふか・・・)を追加で録る。着工した時には「ベース弾き語りアルバム」を作るつもりでゐたのだが、やってるうちに焦点がボヤけ、結局もっと「とりとめのないもの」を作りたくなった。そして、けふ全曲録り終わってみて、その意図は完遂できたと思ふ。

これが2020年、55歳のワシのソロ世界だ、と云へるものが出来上がるだらう。
嬉しい。