週変わりのシュウ

なにもかもが皆なつかしい・・

12月18日(金)ーーーーーーーーーー

今年最後の長旅へ出発。東へ、ひたすら東へ向けて走る壱日。
人類の歴史が始まって以来、いったいどれだけの数の楽師が、同じやうな旅の日々に身をやつして来たのだらうか?。それが国を跨ぐ事もあったハズだ。

12月19日(土)焼津 ーーーーーーーーーー

その旅が国を跨いだ時、それはまた違う意味を為す。言葉の通じない国での、市井の人々への音楽の提供。華々しく迎え入れられるばかりでない、むしろその逆の方がはるかに多い過酷な旅は、なぜその後 現代に至るまで続いてゐるのか?。

12月20日(日)豊川 ーーーーーーーーーー

ワシらは言葉の通じる日本の中だけで、東西あちこちの旅をしてゐるに過ぎない。豊かなこの国では、それが決死の覚悟で行われてゐる、とはたれも思ふまい。多くの人々は「旅ができていいね」といふ感想を持つだらう。
そは間違いではない。我々は間違いなくそれを楽しんでゐるし、行く先々の友たちと無理なく交流し、糧を得ることができる。

12月21日(月)神戸ーーーーーーーーーー

その理りが、たったひとつの流行病で滞るこの現状。人間のなん億分の壱の大きさの、目に見えぬほどの微小な、生物ですらないこの忌むべくものに、為すすべもなく翻弄される世界の、なにが「栄華」であるものか。

砂上の楼閣。それこそが世界なのだ。

12月22日(火)ーーーーーーーーーー

旅から帰ってきて、腰が激痛。

12月23日(水)ーーーーーーーーーー

腰の痛み治まらず。バイト休む。レッスンはやる。椅子から立つたびに「痛たたt・・」といふワシを生徒が笑う。笑うが良い。

12月24日(木)ーーーーーーーーーー

全然クリスマス・イヴらしくないクリスマス・イヴがやってきた。
ワシが所属してゐる(事になってゐるが、もぅ何年も行ってない)教会も、今年は聖夜礼拝はナシと聞く。ウィルスに翻弄されるクリスマス。

せめて、少しだけの勇気で許し合うのだ。

12月25日(金)ーーーーーーーーーー

旅に出てゐる間に、ソロ作品が届いてゐた。ここに12年ぶりのソロ・アルバム「ありばだ」が完成である。ホンマはこの週末の大阪は関目でのライヴで初売りの予定だったが、叶わず。しばらくライヴの予定もなく、さりとて通販にせんとしても、年末年始の郵政混乱期にそのやうな事を軌道に乗せれるハズもなく。

まぁ仕方ない。翻弄される社会を、それでも泳ぎ抜くのだ。そして、全てが終わり、コロナといふものが一体なんだったのか?が分かった時、その中を泳ぎ続けてゐた事を、誇りたい。