週変わりのシュウ
だが、この地もまた老いたのだ
4月24日(日)ーーーーーーーーーー
リハもライヴも入らぬ日曜日。
完全なオフだ。
昔懐かしい「カウチポテト(カウチに寝っ転がってポテチを喰ひながらヴィデオ見たり読書したりする/80年代の庶民休日レヂャ)」でもするかね?と思ひ、ネトフリやアマプラを探るもイマイチ心惹かれる映画がない。まぁこれでいいか、と思ってオススメにある「マンチェスター・バイ・ザ・シー」といふのを見始めたら、これが面白い。
田舎街を舞台にした、展開のないくら〜い話で、賛否は分かれてゐるが私的には面白かった。準主演の女優がカワイイな、と思ったら「マリリン七日間の恋」でマリリン・モンローを演じた人(ミシェル・ウィリアムズ)だった。
むこうの映画って、私が目にする時点でクランクアップからだいぶ時間が経ってゐることが多く、当然女優はそのぶん歳を取ってゐて、リアルタイムの姿、と云ふのを見て「おぉ!?」と思ふことも多い。
このミシェル・ウィリアムズも、この映画の頃はブロンドのロングが似合う儚げな女性だが、今はバリバリショートヘアのおばちゃん、といふかんぢで、それはそれでまた悪くないのだが、「おぉ?!」とは思ふよね。
4月25日(月)ーーーーーーーーーー
バイト。
なんやかんやでこの職場も、この夏で4年目となる。そもそも入れ替わりの激しい仕事(キツい)なのだらうが、私の後に働き始めた人も半分以上は辞めてしまった。まぁ週に2〜3本程度しか入らずに「ベテラン」を名乗るわけにはいかんが、キツいなりに充実した仕事ではあると思ってはゐるので、もぅしばらくは働かせて頂こうかな、と・・。
春が進み、日中はだいぶ暖かくなった。私はバイトの後だいたい蕎麦を食すのだが、夏場はその後にたいていアイスが付く。けふはまた特に暖かい日だったので、今シーズン最初のアイスを。春は進む。
4月26日(火)ーーーーーーーーーー
おぉいに雨。
オフクロの逝去による色々な相続(遺産ではない)やらの手続きのために必要な書類を求め、市役所やらを転々とす。面倒である。現代の画像技術なら、こんなもんいくらでも偽造できるんでは?と思はしむる紙きれに、逐一金がかかるのも意味がわからん。やれやれ。
レッスンの後、しーシュのリハ。5月の半ばに3年ぶりの北海道ツアーが決まってをり、ホンマに久しぶりの訪道に心躍る。カラ回りにならぬやうに、しっかりリハをね。この頃、ループの使用量が減り、しーシュがわりと純粋なピヤノとベースのデュオに近づきつつある。まぁ元々ループを使う、と云ふことを優先してるデュオ、てわけでもないので、これは良い進化だらう。
4月27日(水)ーーーーーーーーーー
バイト。
けふのバイトを乗り切れば、GWが終わるまでは楽師としての日々が訪れる。
乗り切るのだ、と思ひながら乗り切った。
ので、その夜はぱんぱかトリオのリハだったのだが、バイトを乗り切った開放感とGWへ向けての高揚感にホダされて、レッスン終わりに缶チューハイを壱本やってしまった。カワの字にはすまんが、まぁ本番もこれくらいは飲みながら演ったりするので、と妙な言い訳をしてからリハ。
レッスンに本番に、と日々忙しいしーなさんは勿論、ウクレレのインストラクターとして名を馳せつつあるカワの字も、まぁ副業をしてゐる私も、いちをうは職業楽師としてこの街に生きてゐる。
そは例えば米国のサウスカロライナ州エッジフィールドにも、おそらくさういふ楽師はゐるだらう訳で、見たこともない、そして多分これから先も会うことはないだらう さういふ「同志」にささやかな連帯の乾杯を捧げたい、と思ふのだ。
4月28日(木)ーーーーーーーーーー
生まれ故郷の街まで車を走らせ、戸籍謄本なんぞをとる。先述した相続のなんぢゃらの要するための・・。
こたび「墓所を引き継ぐ」と云ふ役目も「相続」したわけで、あぁこれで私も墓守になったのだな、といふ思ひが。
この頃、このテの手続きで廿日市に帰るたびに、憶えのある場所に立ち寄ったりするのだが、良くも悪くも変わり果ててゐて、色々感慨深い。もしかしたらこの先この街に住む事になる可能性もなくはない訳で、まぁ、さうなればまた色々な感慨や憤慨もあるんだらうな、と・・。
GW前としては最後のレッスン。
レッスン会場のスタヂヲに、ソルティベアーズの同胞、鍵盤のモンゴル松尾さんと、ベースの道上いづみちゃんがゐた。この後2人で本番ださうで、そのリハのための来場。3人で結構がやがやと話をして楽しいひと時であった。
みんな 良きGWを。
4月29日(金/祝)和田行弘 追悼会@MACーーーーーーーーーー
昨年11月に逝去された友人にして仕事仲間でもあった和田行弘さんを偲ぶライヴパーティーに参加。
北九州のテーさんこと村岡達也氏から話が来て快諾した話なのだが、けふに至るまでたれが出て何を演るのか知らぬまま、しかし他の出演者もみなそんなかんぢでMACに集まって来た。見事に「広島の不良中年(老年?)の同窓会」的な様相を呈し、しかしホンマに久しぶりの邂逅に、みんな楽しさう。
明日一緒に演る春駒ことカシラも居り、パーカッションのツンちゃんも!。しーなさんを欠いたFar east lounge!!。けふは主催からスタッフに至るまで見事に男のみの「男祭り」だったので、しーなさんには申し訳ないが、今回はこの編成でよかったのだらう。私は他にテーさんとのデュオや、久々の弾き語りソロも演り、わりとこの日の出演者の中で一番ウケた。
テーさんにしばらく貸すための名目で、けふはベースVIを持って来ており、全編それで演ったが、まぁまぁ使えた。ふ〜む、今この楽器の特性を活かした「自分だけのベースVI」を作る構想に心揺らいでをり、けふみたいな事が演れたら、それはおおぃに現実味があるな、とも思ふ。
上述のやうに見事に男だらけの企画だったが、お客さんの女性からは『おぢさん達がすっごく楽しそうで、とてもいいイベントだった』と言ってもらえて、嬉しい我ら。またやろう「男祭り」。
4月30日(土)三代目春駒&梶山シュウ@音魂ーーーーーーーーーー
悪性リンパ腫、といふ大病を克服し、けふ見事2年半ぶりのステージ復帰を遂げる我が友、三代目春駒ことカシラのライヴ。Far east loungeでなく私とのデュオで演りたい、といふ意図を汲んだつもりで、けふは臨む。
会場の音魂(おんたま)は、もと老舗の音楽酒場「Duck」だった箱。若き私とカシラもよく演った場所が、まぁ彼の復帰戦にもふさわしからう。放っておくとMCがどんどん長くなる男なので、そこだけは直前に釘を刺しておき(笑)、例の架空民族楽器フトゥヤラの独演からしづかに立ち上がるやうにライヴが始まる。
最近真面目に取り組んでゐる「能」を随所に取り込み、ゲストにトラムペットの河村貴之を迎え、カシラ力一杯のパフォーマンスだった。打楽器のいない編成だったが、そこはまぁ40年来の相棒として遜色のない仕事はできたのではないか?と。河村くんも流石のサポートで色を添えてくれ、彼が単なるジャズのペッターでないことも再確認できた。私もしーシュでは歌やナンダに集中してて出来ない色々を演って、楽しかった。
カシラの病気が発覚し、闘病生活に入る最後のライヴが、私が企画した私とのライヴだった、といふ事で、その復帰戦をやはり私が共に飾れたのは、やはり嬉しい。おかえりカシラ。良かったよホンマに。
また演ろう。