週変わりのシュウ
7月17日〜22日
良心があるなら酒に謝れ
7月17日(日)ーーーーーーーーーー
♫休みの日曜日〜♫
とくにすべきこともなく、ぢっと壱日を過ごす。
世はまたもやコロナコロナと喧しくゲンナリ。第7波、なんですって。「大半が無症状の感染者」って、意味がわからんけどね。通常の感覚すらマヒしてゐるマジョリティ。『39℃の熱が出たのでPCR受けたら陰性でホっとしました』とか、もぅすでにオカシぃやろ?。39℃あったら充分ヤバいでせうが?。
たれもかれもが疑心暗鬼、てのが『遊星からの物体X』を思はしむる。ニンゲン。
7月18日(月/祝)ーーーーーーーーーー
超々久しぶりに、ロケンローラーのナカハラヒサロ〜氏に誘いを受け、朝も早よからレコーディングに参加す。
まぁ私自身はまっっったくロケンローラではないが、ヒサロ〜氏とはもぅ古い付き合いになり、何度かツアーやイベントに参加させてもらってゐる。ギター3、ドラム2、歌3、にサックスとベース(私)、とかいふ編成でライヴ演ったこともあるなぁ。
ロケンロールの世界の住人たちは、付き合えば皆 気の良い人らなので全然楽しめるんだが、なんせみんなタバコが凄いのと、夜更かしの人が多いんで、私は自分のペースで付き合ってゐた。楽屋にはあまり滞在せず、打ち上げもキリのえぇところでさっさと帰り、オールナイトのイベントなんぞ自分の出番の時だけ行ったりしてゐた。
今回、ヒサロ〜氏久々のアルバム作成で、今までとちょいと毛色の違った曲がある、といふので私に話が来た様子。事前にアナライズしてゐた譜面をもとに、チャチャっと2曲仕上げる。エンジニアはlive cafe JIVEのハラダくんなので、細かいところはお任せ。ハラダくん『シュウさん、さすが仕事早いッスね』と。
昼前には終わったので、帰りの足で友人の画家、筒井尚美さんの初めての個展に顔を出し、激励を述べる。絵を買いもせずいっつもフラっと来て話だけして帰るストーカーみたいで申し訳ないね。
家に帰ると何やら異常に疲れを感じ、そのまま寝る。夕方まで寝て、晩飯を喰ひ、また寝る。
7月19日(火)ーーーーーーーーーー
しーシュのリハ。と「チョイ出し」の収録。
リハでは、こないだから取り組んでゐる新曲「フロル」が完成。難しい曲だが、しーなさんが上手く色をつけてくれてゐる。これまでにない浮遊感のある曲に仕上がった。良いかんぢに育てて行こう。
昨年末から割とポコポコ曲が書けてゐるが、5曲中4曲が三拍子か三連系。今はさういふ時期なのだらうか?。
7月20日(水)ーーーーーーーーーー
バイト先で、新しいエリア・マネージャーに、けふ初めてお会いした。
もはやここでは、私が職業楽師である事は知れ渡ってをり、その事について色々と訊かれた。そんなこんなであまり(バイトに)入れずにゐて申し訳ない、と伝えると、全然構わぬので今後もよろしく、と云はれて、気が楽になった。
前のマネージャにも、冗談混じりながら『もぅツイデに定年まで働いて』と云はれた。ん〜〜、キツいです。
ぢっと静観したおかげで『多弦ベース熱』が収まりつつある。まぁ、良かった、のかな?。先だっての日記を読み返しても、ベースVI(6弦ベース)→カラス(4弦ベース)、と二日連日で演ったライヴの内容について、『昨日(VIで)やった事は全部カラスでもできた』と書いてあるし、まぁそれはこれまでにも何度も自認して来た事で、それをまた再認識した、てだけのハナシで、さうなると今度はまた「箱モノベース」が欲しくなってきて・・・。ニンゲン。
7月21日(木)ーーーーーーーーーー
元々の愛器「ヴァネッサ」を大幅にモデファイしたい気になってゐる。
もぅ30年以上に渡ってメイン楽器として使って来てゐるこれ、何故かここのところ ライヴで自分の出したい音がイマイチ作れず、カラスにメインの座を譲ってゐる。・・・と云ふのもこの楽器づっと『生で鳴る音ほどには 電気の出音が良くない』と思ってゐたのであった。
んで、極め付けはこの楽器を作ったアトランシア社長にして職人のH氏の近々のインタヴー。『あの当時組んだ楽器は、今思ふとまだツメが甘かった。いまならもっと違うふうに作る』などと曰ってをり、なんぢゃそりゃ?といふかんぢ(笑)。本社に送り返して「やり直せ」と云ふことも出来るが、そんなんならこっちで思ふやうに改造した方がえぇんと違うか?のやうに思ったのよ。
この楽器は、私にしては珍しく 一度も改造してない。今回、いよいよさうする時が・・?!、みたいな・・。
でも箱モノベースも欲しい気が・・・みたいな・・・。
7月22日(金)ーーーーーーーーーー
バイト。
なんやもぅ凄まじい忙しさで、なんかあったの?て云ふほどの来客。聞けば夏の飲み物(ビールとか)が半額以下になるキャンペーンが始まった、とかで、納得。・・・・?て事はあの大量のお客さんたち、みんな昼からビール飲んでンの?。いいなぁ〜〜。
レッスンには、久しぶりにソルティ・ベアーズの歌姫、熊本かおりちゃんがギターを抱えてやって来た。色々と悩み多きご様子。この稼業、時には生徒の悩みに付き合い、ひとコマ楽器にも触らず、みたいな事もある。ホンマは良くないのだが、まぁさういふ事も含めて、私がかうして店を開けてゐる価値なのではないか?とも思ってゐる。
大したアドヴァイスなどできるハズもないが、この地方都市の片隅で、売れずにブレずに、なににもヘコたれずに音楽をやり続けてゐる初老の男の生きざまが、なにかの指針になるのであらば、それこそが私の仕事の意味、なのではないか?と思ふのだ。
7月23日(土)ーーーーーーーーーー
良き天気。洗濯物が乾く。
映画「ザ・バンド〜かつて僕らは兄弟だった〜」を見る。
私はザ・バンドに関してさほど詳しい訳ではない。ディランのバックバンドとして名を馳せた事ぐらい知ってゐるが、アメリカン・ルーツ音楽に根ざした音楽性は、私の好みのところではなく、フォロワーだった事もない。
ただ、良いバンドである、とは認識してゐて、弾けと云はれれば弾ける曲もある。ベースのリック・ダンコは晩年見る影もなく太ってしまってゐたが、若い頃から独創的なベースラインを弾く 好ベーシストと思ふ。
そしてさういふメンバー間の軋轢が、やはり「兄弟」とまで云はれたバンドをも蝕むのだな、との印象。全体がギタリストのロビー・ロバートソンの自伝をもとに構成されてゐるので、当然 目線も彼本位の物語となる。これをリックが書いてゐたらまた違った物語になったであらうし、他のメンバーも然り。
その中で、現役中から一貫して我を通さず、黙して語らず、まるでサイドマンのやうに居続け、現在も活動中の鍵盤弾き ガス・ハドソンの存在感が、逆に光る。
最近、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンにつひて書かれた本を読んでもゐて、日本とは比べ物にならぬ巨大なショー・ビジネスの世界に組み込まれる若い才能、といふものを考へずにはおれない。かういふエピソードを見聞きするたびに、案外 全然売れず、たれの話題に登る事なくとも、自分の演りたい事を演りたいやうにやって、ブレずに一生音楽と共にある人生、の方が「勝ってる」と云へるんぢゃないか?、と思ふのだ。