週変わりのシュウ

北海道ツアー記ふくむ

7月1日(土)ーーーーーーーーーーーーーー

北海道ツアー前、の休日。
しかし、旅の準備など色々あり、なんかあんまり「休み」といふかんぢにもならんかった。
正直、なにをして過ごしたか憶えてない(ツアー後 記述)

7月2日(日)ーーーーーーーーーーーーーー

ソルティ・ベアーズのリハがお昼から。
日曜日の昼からリハたぁ、良いねぇ。

ツアー後すぐにあるライヴの確認、のやうなリハ。例の、ダブル・ブッキングしてしまってるヤツよ。
久しぶりにドラムと一緒に演るのは気持ち良い。当日はバタバタさせてしまふが、楽しいライヴになればいいな。

リハ終わってもまだ15時。遊んで帰ることも考たが、明日から旅なので、まぁ自重。

7月3日(月)しーシュ北海道ツアー初日ーーーーーーーーーーーーー

昨年5月から一年と少し。今年もしーシュで北海道ツアー。
予算の関係で朝イチの飛行機にて。5時起きで支度して、6時には出発。空港でかるい朝飯を喰ひ 搭乗。

飛行機の中ではほとんど寝てゐたが、なんとまァ早いことで10時には新千歳空港に着いてしまった。そっから札幌→投宿先の小樽まで電車を乗り継ぎ、昼前には銭函の「うみねこ食道」に着。オーナーの佐藤さつきさんと1年ぶりの再会。

再会を寿いだら、けふのところはもぅ用事なし。うみねこ食道は夏季には店内営業はほどほどにして、ほとんどを前庭のビアガーデン営業にシフトしてゐるさうな。そこで昼からビールを飲み、海産のツマミを食する贅沢な時間。そのまま夜まで。

昨今暑い日も増えたといはれる北海道だが、夜なんぞは西日本人間からすれば「寒い」ほど。Tシャーツ3枚を重ね着して凌ぐ。

7月4日(火)しーシュ北海道ツアー二日目:うみねこ食道投げ銭ライヴーーーーーーーーー

投宿してゐるうみねこ食道、の店内でのライヴ。

夏季営業にて、半分物置のやうになってゐる店内を、なんとかライヴが出来るやうに片付け、機材をセッティングし。決して広くはないが、椅子を並べれば20人は入る立派なライヴカフェが出来上がった。

開店して約1年。ライヴをするのは初めてださうで、近隣の常連さん達が集まってくれる。まぁまぁ満席となった店内で、ザっと40分を2ステージ。機材の関係で演り易くはなかった(鍵盤はキィボードだし、ベースはギターアンプ)が、PA担当の小山信行氏による録音を聴いてみると、出音はちゃんとアンサンブルが成立してゐたやうで、まづまづの良いライヴだったかな、と。

打ち上げは、近隣の有志が振舞ってくれるジンギスカン。もっと沢山お客さんも残るもの、と思ってゐたがさにあらず。わりと「家族の食卓」のやうな打ち上げになり、これはこれでなかなか楽しい。

7月5日(水)しーシュ北海道ツアー三日目:オフーーーーーーーーーーーーー

けふはオフだが、このツアー最終日に予定してゐる「居酒屋椎修:出張編」のための「食材調査」。
何軒かのスーパーを周り、コレはあるアレはない、と確認(けふは買わない)。

「食材調査」といふとみんなが、いわゆる『いい店(いい市場』に連れてってくれやうとするのだが、居酒屋椎修はさういふコンセプトぢゃないんよ、といふのを説明。いい食材で美味い料理を出すのはプロ仕事。我らはシロウトなので、そこんとこヨロシク、と。

7月6日(木)しーシュ北海道ツアー四日目:札幌アフターダークーーーーーーーーーーーーー

さぁけふからライヴ3連チャン。引き締めて行こー。

電車で札幌に移動。会場のアフターダークは、コロナ前のツアーで札幌の御大お二人、ハモニカの千葉智寿、ハンマーダルシマの小松崎健、ご両名と「小世界音楽紀行」を演った場所。今回はおふたりとは会うことも叶わず(みんなコロナが明けて忙しくなってきてゐるのだ)、潔くウチの看板で小樽のSSW、高橋麻衣子ちゃんを招いての2マン。

客席に背中をむける形にはなるが、アップライトピヤノがあるので、しーなさんには嬉しからう。ベースアンプも、日頃私が使ってるのと同じフィルジョン。思い切り演れさうだ。どっちか、てぇと私主導の曲を多めにセレクトして構成。

ほどほど一杯になったお客さんを前に、まづ麻衣子ちゃんが先発。明るくポップな演目と構成で、見事に会場をあっためてくれた。麻衣子ちゃんとはこれで三度目の共演になるが、今回初めて 意外にハスキーな歌声であることに気づく。ブルースちっくな昭和歌謡とか歌うと、ぢつにサマになりさうな良い声である。

いいライヴだった。
ウチも麻衣子ちゃんも、それぞれ良いところを充分に出せたライヴだったのではないか?。麻衣子ちゃんにありがとう。お客さんにもありがとう。

ところで、札幌はやはり大都会で「なんでも揃ってる」といふ印象。例えばこの街で打ち上げとかしてゐると、東京とか大阪とか、広島とかとも全然変わらず、あえてフと思ひ出さぬ限り、今自分らが故郷を遠く離れた北の大地にゐる、と云ふ実感はない。

オモロい。

7月7日(金)しーシュ北海道ツアー五日目:岩見沢スナック・リンカーンーーーーーーーーーーーーー

これまで岩見沢には、ボディマンといふ名店があり、一部では北海道で一番しーシュのファンが多い店、とまで云はれてゐたが、ビルの老朽化により閉店。次店の開店を待たずしての岩見沢行にしーシュの懇意はなく、友人の友人からの紹介で、けふの会場「リンカーン」での開催、となった。

このリンカーンさん、極めてフツーの「カラオケスナック」であり、機材を持ち込んでのライヴなど勿論初めての経験。リハを始める前の段階で、隣の店から苦情が来るハプニングが発生(苦笑)。

ところが聞いてみると、この隣の店、長く休業しており、けふも営業するわけではなく、タマタマ女将が店に来たところ、隣から生演奏が聞こえたことに立腹し、苦情を申し立てたとのこと。リンカーンのママさんに訊いても、あんまり関わらん方がいい、のやうなかんぢだった。

しかしまぁ一応社会人常識として直接謝罪に行って話せば・・・と思ひ、店に顔を出した途端、女将らしき たいへん太った女性に『入らないでください!帰ってください!うるさい!!』と鼻先三寸でシャッターを閉められ、剣もほろろ、とはこのこと。

ありゃあ・・・。

といふかんぢだが、それでもしーシュを聴きに来てくれてる人もゐるので、中止にする訳にはいかぬ。音量を最低限の最低限に絞り、ラインナップもオリジナルよりカヴァーを多めにフィーチャーし、まぁ半ば「歌謡ショー」のやうなかんぢでお送りした。ウチを聴きに来た人以外はみなカラオケをしに来た老成した紳士淑女で、まぁだからライヴもそんなかんぢ。

それにしてもあの隣店の女主人はスゴかったね、と云ひながら、みんなで小樽まで帰った。

んで、かう言っちゃナンだが、我らの後カラオケに勤しむ紳士淑女の歌声んが、ナンボかデカかったぞ、と・・。

7月8日(土)しーシュ北海道ツアー六日目:夕張ファイヴペニーズーーーーーーーーーーーーー

北海道ツアー中、けふだけ車を借り、自らの運転で現地に足を運ぶ。
思へば「いつかバイクで北海道」と夢見てゐた20代初頭から四半世紀。よぅやく自分の運転で北海道を走るのだ、と思ふと、ややテンションが上がり、よく晴れた天候(暑い!)とも相まって、気持ち良いドライヴ。

けふは、我らも敬愛してやまなかった名SSWにして夕張の名士、 故皆川裕爾師匠のお墓参りといふかお里参りといふか、さういふかんぢ。セッティングしてくれたのは美唄のSSW 山田稔さんと夕張の実行委員会のみなさん。
皆川師匠を中心として行われてゐた「ふれあいコンサート」といふ冠を我らが頂いて、の夕張行となった。5年ぶりのファイヴペニーズ。

道外から来る楽師たちの中でも、特にしーシュを目にかけてくれてゐた、といふ皆川師匠。その名を冠したイベントを通じて、皆川裕爾といふお人が、この地でどれだけ愛され、またどれだけこの地を愛した人だったか、をぢっくりと味わえた夜となった。我らも師匠との面白楽しいエピソードをMCに交え、またこの店はグランド・ピヤノ常設にてしーなさんも全開プレイで、札幌に引き続きベストなパフォーマンス。

稔さん率いるYAMAHARI+oneの演奏も素晴らしく、師匠亡きあと、この地ともご縁はなくなるかなぁ、と思ってゐた我らには、贈りもののやうな1日だった。

師匠、きっとけふも来てくれてましたね。

7月9日(日)しーシュ北海道ツアー七日目:オフーーーーーーーーーーーーー

昨夜は実行委員会の伊藤恵美さんの実家に宿をお世話になった。
ご自身も出勤を控えて忙しい朝だらうに、パンやコーヒーを出してくださり、恐縮至極。ありがとうございました。「また来てね」と言ってもらえ、「必ず来ます!」と約束を交わす。

けふは銭函に帰るのみ。
せっかくなので高速道路を使わず、いわゆるザ・北海道な景観の中を車で走って帰ることに。

写真では何度も見てゐたが、同じ日本のなかにこれほどどこまでもまっっっすぐな道路があるんだねぇ、とか云ひながら、ホンマにまっっっっっっすぐな道を快適に走る。バイクでここを走るのは、確かにさぞかし爽快だらうな。

明日の「居酒屋椎修」のための食材を途中で買って帰る。ちょいと大きな街に行けばイヲンもあらば吉野家もあって、まぁニポンは良くも悪くもさういふ国なのだな、と・・。

7月10日(月)しーシュ北海道ツアー千秋楽:居酒屋椎修 銭函編ーーーーーーーーーーーーー

さて、ツアーも最終日。
けふはライヴもだが「料理」を頑張らねばならん。

この数日で、北海道における「焼きそば」といふメニューのニッチが、我ら西日本とあまりにかけ離れてゐることを知り、これまた驚いたりもした。昨日の話では「ベンリなニッポン」を思ったが、生活習慣、といふかさういふものでは、やはり「ニポンも広い」と思はざるを得ないね。

て、ことで「居酒屋椎修」。
けふ来られたお客さんがこの催しをどのやうに思はれたか分からんが、まぁ、これもひとつのウチのやり方だ、と。食事を出し、ライヴを楽しんでもらう。思へば、「居酒屋」といふ形で定例化する前から、年に何度か料理を振る舞うライヴはやってゐたのだ。アメリカのSause bossことビル・ワートン(ライヴをしながら料理するアメリカのローカルミュージシャン)のやうに、「さういふライヴをする楽師」といふことなのよ。

北海道ツアー、七日間五会場でのライヴ、これにて終了!。
協力してくれた各地の仲間、足を運んでくれたお客様、共演してくれた魂の兄弟姉妹たち、に心からの感謝。

7月11日(火)帰広ーーーーーーーーーーーーー

大雨。

涙雨かねぇ、とか云ひながら帰りの支度。
づっとお世話になってゐたさつきさんが、寂しさうにボソっと『づっと居てください』と云ふ。各地で云はれることだが、しーシュは本当に「手のかからない居候」らしく、まぁ本当にさういふ印象を与えるのであらば、我らも本望である。

旅人は決して驕らず、迷惑もかけず、ただ寂しさだけを置き土産に、静かに去ってゆくのが良い。さうありたい。
そして「また来てほしい」と思はれる存在でありたい。

夕方に新千歳空港を飛び立った飛行機は、日暮を追っかけるやうにして飛び、夜の広島に無事到着した。