週変わりのシュウ

にわか仕込みの杖で

3月23日(土)しーなとシュウ薬研堀夜市 Vol 12 @JIVE

オリエンタルホテルの営業以外、ぢつに久しぶりのしーシュのライヴとなる。

リハ時間があまり足りておらぬので、今回も「直前リハ」を入れる。まぁ くたびれるっちゃくたびれるんだけど、数時間のちのライヴに向けてコンセントレーションを上げてゆく、といふ意味では この直前リハも悪くない。

けふの目玉としては、しーシュの歴史上 初のインストのオリジナルとなる「アルボス」の初演。昨年末、なんとなくしーシュに新しい風を呼び込みたくて作った。わりとガツガツした曲なので、さーどーなりますやら、といふかんぢ。

嬉しいことに今回もほぼ満席。相変わらず「おひとりさま」のお客さんばかりで(笑)、相席の人同士がおづおづと会話を始める光景は、なかなか楽しい。

けふはなんと横浜、千葉、と遠方から来場された人もゐて、嬉しい限り。かういふ人の多くは「地元でのしーシュを見てみたい」といふ事をよく云はれる。地元の人から云はせると「しーシュのファンはフットワークが軽い」となる。まぁワシ自身、気に入った人のライヴは遠方であっても出かけるし、さうありたい、と思ふ。交わる風のやうで良いではないか。

さて地元のしーシュ。けふは暗めの曲が多い構成となったが、絶妙にチカラが抜け、たいへん良い手応えを感じるライヴとなった。長らく見てる人からも、けふはとみに良かった、との感想をいただき、良かったな、と・・。

JIVEの店置きピアノが新調され、それがまた良いらしく、しーなさんも絶好調だった。ただ「目玉」だった新曲には、終演後も特にたれからも感想なし(笑)。やはりインストはニッチが難しいかねぇ・・・?。でもまぁ、今後も演り続けやう。

しみぢみ 良いライヴだった。お客さまに感謝。

3月24日(日)

けふは、フリュートを吹く友人にしてT病院整形外科長、ワシのギックリ腰の主治医でもある進藤先生の、古希祝いの会に歌のゲストとしてお招きいただく。

ほぇ〜〜!センセイ、古希ですか!?。

ポップジャズユニットBobby’s(既解散)の仲間として出会い、思へばもぅだいぶ長いお付き合いをさせて頂いてをる。折に触れワシをかういふ場で歌わせて下さってゐて、お陰様で医療関係者のファンも増えた(笑)。

けふは親しいお仲間とその家族が集っての、秋田料理専門店(初めて知った)の二階席を使ったホンマにホームパーテーのやうにこぢんまりと落ち着いた祝会。参加者の方々と同じ円卓に一緒に座って歌う、といふたいへんえぇかんぢ。

歌詞カードなどは準備せず、映画音楽やスタンダード、昭和歌謡を中心に、皆さんと話しながら曲を決め、時にはセンセイのフリュートと共に、云はれるままにオリジナルも歌い・・といふたいへん好ましい40分のステージ。

参加者の方々にも大変喜んでもらへ、ゲスト冥利に尽きる夜であった。終演後は一緒に鍋をつつき、旅や音楽の話に花が咲き、センセイのお人柄を反映する、本当に良い会だった。

『こんな場でこんな唄が聴けるなんて!』と皆さん仰るが、本来音楽とはかういふ場の、かういふモノだったのだ、とワシは強く思ってゐる。人の輪と祝いの席と、良い唄。

インデュオに、イヌイットに、アボリジニに、縄文人に、アイヌに、琉球に、それぞれいつくかの部族と集落があり、それぞれにはそれぞれ「我が村でいちばんの歌い手」がゐたのだ。きっと彼らも、かういふ席で歌ったに違いないのだ。言祝ぎを、喜びを、祈りを、希望を、そして時には、悔やみを・・・。

センセイ、古希おめでとうざいます。これからもお元気で。

3月25日(月)

生活では音楽を離れる、みたいな人も多いが、ワシは日頃から音楽もよぅ聴くし観るし、音楽の夢もよく見る。

ただ、さういふ夢では多くが「楽器がない」とか「客がいない」とかさういふ因子で、結局「演らずに終わる」とか「演れない」とかなのだが、けふは珍しくまるまる1ステージ演りきる夢を見た。

昨日の影響らしく、広めの宴会スペースみたいなところでソロで歌ってゐる。ただ、ギターでもベースでも鍵盤でもなく、なんか変な箱を操ってをり、それがなんか伴奏を奏でる、みたいなかんぢで、お客さんもそこそこ盛り上がり、コール&レスポンスも起きてゐた。

1ステージ終えて休憩してゐる時点で、なんか若い連中が入って来て、主催者らしき人物が『シュウさん、2ndステージはこのコらに演らせてあげて』と云ふ。そやつらは、特に礼を述べるでもなくおづおづと準備を始め・・・といふ。

エラい現実感のある夢である。

3月26日(火)

頭が痛くて目が覚めた。

ワシは頭痛といふものをほとんど経験したことがなく、数百年に一度それらしき症状が起きても、通常の半分の鎮痛剤を飲めばすぐ治る。

ので、目がさめるほどの頭痛、といふのは初めてで、なんや気持ち悪いな、と思ひつつ、旅グッズの中に1個だけ残ってゐた頭痛薬を飲む。が、変な時間(午前5時)だったので、そっから眠れずに、仕方なくいつもの時間(午前7時)に起き出して、ごそごそ・・。

ので、なんや壱日 寝不足のやうなダルいやうな、そんな懈怠感に付きまとわれた日となった。歌のレッスンやってるとこっちがクラクラしてくる。

その後しーシュのリハを演ったのだが、ここでもやや目眩。フンばれぬ、といふかなんと云ふか・・・。

暑いやら寒いやらよぅ分からん日々が続いてゐるので無理もないが、まぁなんか体調管理の難しい季節だ。

3月27日(水)

明日からの旅にそなえて支度をば。

奇しくも大量の資料音源の中から、2003年の東京ツアーでのMD録音が出て来て、旅をし始めた頃に思ひを馳せる。この音源は電気ヴィヲロン、パーカッションとのトリオ編成だが、バリバリなジャズロックを演ってゐて、ベースの音もアグレッシヴである。たしかえへくたーだけでスーツケース一個ぶん持ってってたなぁ、と・・・。

テクノロジィの発達のおかげで、えへくたそのものが小さくなった現代、あれほど嵩張る機材は持ち歩かずに済んでゐるのが嬉しい。色々意見はございやせうが、ワシにとって音楽とは「持ち運べるもの」でなくては意味がない。

さぁ、明日から久々の旅だ。