週変わりのシュウ
4月21日〜23日
春旅の記録2
4月21日(日)春旅2019二日目:豊川フォーク酒場 街
やや肌寒いが良い天気。昨日のお客さんのほとんどが、店かその近辺に泊まってゐるので、改めて全員集合して「焼津港湾食堂」に昼飯を喰ひに行く。
港町ならではの食材が港町ならではの値段で食べれるありがたさ!。
その後、近隣の資料館や博物館(コバンザメが可愛かった)をくるっと軽く回り、我々は出発。むずりやの前で手を振る皆に見送られて豊川を目指す。みんなありがとう。また会う日まで。
さて、焼津〜豊川は100Kmちょい。焼津まで走った身からすれば、なんてぇこたぁない距離だ。天気の良い日曜日にて、高速道路はツーリングのバイク団や、おかしげなクラシック・カー団がいっぱい。のろのろ走るぐっちは、さういふ者たちに次々と抜いて行かれる。抜け抜け、どんどん抜いて行くがいい。
豊川に着。
街 店主とがりマスターとの再会は壱年とちょいぶり。こちらからはあまり広報は手が回ってなかったのだが、ありがたいことに予約で満員、ださうである。心して演らねばね。この店は音が良くてたいへん演りやすいのだ。
んで、本番。
焼津で買ってきた「焼津シャーツ」をキメて臨んだライヴ。けふはワンマンだったので、いろんな曲を演った。・・・えーと なに演ったんだっけ?。
いつもセットリストを取っておいて後で発表を、と思ひはするのだが、毎回 撤収のどさくさに紛れて忘れてきてしまふんだねェ・・。メモ用紙なんぞに書くからイカンのだらうか?
終演後、CDが激売れす、といふたいへん喜ばしい事態に。ライヴが成功だったことの証、と受け取らせていただこう。ご来場の皆さん、ありがとうございました。
打ち上げの席も用意してくださってをり、心より感謝。数名のお客さんからも云はれたのだが、年に一回、ではもの足らぬ、せめて年に二回は来てもらへぬか、を打診され、我々としてはもぅ喜んで!と云ふだけである。
「あなたたちの歌が聴きたい」と云ってくれる人がゐるのであらば、我々は他のなにを差し置いても、どこであらうとも、どのやうな場であらうとも、そこへ出かけて行く。そこに迷いはない。
これからもそれを貫く。
4月22日(月)春旅2019三日目:移動日
けふはライヴはなし。
いわゆる「オフ日」「移動日」である。
我らはかういふ日に遊んだりするのではない(タマに遊ぶが)。車旅の最大のメリットは「挨拶回り」ができる事でもあり、さういふ事に使うのだ。けふは豊川市内の喫茶店「あわじ」を訪ねる。
「あわじ」は「街」のお隣。
ここのマスターご夫妻は、しーシュのライヴのたびに、いつもごっそりと店の常連客を引き連れて見にきて下さる。けふは挨拶とお礼も兼ねて、あらためて「あわじ」のランチをいただきに。
広島ではツイぞ見かけなくなった、古き良き喫茶店。聞けばもぅ開店して40年になるとか・・。オサレなカフェーでなく、かういふ喫茶店が40年存続できる中部地方の文化、がまづ素晴らしいと思ふ。
マスターは広く「芸能」が好きで、歌舞伎や能にも造詣が深い、とか。音楽もクラシックからロックまで大好きなんださうである。
たっぷり量のあるスパゲティも、良心的価格で嬉しい。嗚呼 かういふ店が、昔は広島にも多くあったのだ。
ここでも『年に一度ぢゃなくて・・』のやうな事を云はれ、必ず、と答える。
かういふ方々に求められ、支えられるからこそ、我らの唄旅が成立するのだ。今一度、そのことを強く噛み締めねばならぬ。
4月23日(火)春旅2019四日目:名古屋へいでん温泉
けふは今ツアー最大のトピックにしてチャレンヂ。
しーシュ始まって以来、初の『現役銭湯でのライヴ』である。
美容院、喫茶店、学校、書店、各種飲食店、ガソリンスタンド・・・、ありとあらゆる場所でライヴして来て、これからもありとあらゆる場所でライヴしまっせ!と云ふのがしーシュの信条。
特に「銭湯」でのライヴは、わりと長年憧れてゐたプロジェクトである。
それがけふ実現するのだ。
会場である「へいでん温泉」さん。
創業はなんと大正4年!。104年前!。一世紀を超える歴史を持つ老舗銭湯なのだ。まったく偶然でここにフロに入りに来て、女将さん(ワシと同い年)と顔見知りになり、ライヴに来てもらってるうちに、「ウチでも演りませんか?」みたいな話になり、「定休日はいついつで・・・」、と割とトントン拍子にけふのライヴが決まったのだ。
ただ、本格的なライヴを開催するのは初めての事で、大将(彼も同い年)含めてどのやうにしたら・・のやうな・・・。ワシらとて、演る事にしたは良いが、まづお店のどこで演るのか?、音響はどうするのか?、楽器は何を使うのか?・・・。お互い手探りのまま開催に至った。
お店に着くと大将女将夫婦がお出迎え、見れば店の前にはデカデカとポスターが貼られ、案内板も丁寧に作られてをり、自由配布のフライヤまで作ってくださってゐる。これは良きライヴにせねば・・。
といふことでまづは「会場吟味」。
お湯は全部抜いてあります、との事で、浴室、脱衣室、待合室、いろいろ検討してみるに、やはり「銭湯で演る」といふからには浴室で演るのがスジだらう、といふ事で決議。準備にかかる。
いちをう音響機材は全積みして来てをり、これを使うテも考へたが、なんつっても風呂場と云へば天然リヴァーブ。やはりこれを生かさぬテもない。
潔く 声はナマ、電子ピヤノはそれに合わせた音量、ワシはベースではなくギターを使い、あれやこれやリハーサル。
このリハがまた気持ち良くてねぇ・・・・・(笑)。
演ってるうちにあれもこれも・・と欲が出て、2時間以上リハしてしまふ。女将は『プロってやっぱりこんなにリハするんだ?』と感心してゐたさうな。大将は『本番前に疲れぬのか?』を心配してくれてゐたらしい。
んで、本番。
続々とお客さんが詰め掛けてくる。名古屋近隣のファンや友達、お風呂の常連を中心に、フライヤや、なんか新聞にも載ったさうで、それを見て「どんなもんか」と来てくれた人も・・。
狙った天然リヴァーブが、やはりとても良い効果をもたらしてくれ、またそのリヴァーブは拍手にもかかり、これがまた素晴らしく、100人以上入る会場で演ってるかのやうな音場が作り出され、ワシらもノりまくり、まーぁ素晴らしいライヴとなった。
お客さんからも大好評だったさうで、女将は「ちょっと自信がつきました」と・・。いや〜〜〜気持ち良かった!。本当にありがとうございました。
ぢつはリハが終わり、本番の10分前になった頃、思ひのほか初めてのお客さんが多いのに気づいたワシは、急遽ベースも準備し(全曲ギターで演るつもりでゐた)、数曲ではベースも弾き、ソロの弾き語りも演った。したら、フライヤを見て『銭湯でベースとピアノのデュオ?』と興味を持ち、来場してくれた方もゐて、あぁ機転を利かせてよかった!と。
良いライヴだった。
打ち上げは大将女将とワシらの4人で。ここでこの二人とワシがドンピシャ同い年であることが判明。同世代ならではのあれこれを語りながら、楽しく歓談したのであった。
元はと云へば、ここにはぱんぱかトリオで来たのだ。番台にウクレレが置いてあるのを目ざとく見つけたカワちゃんが女将に話しかけ、けふの縁に繋がったのである。カワちゃんにも感謝。